【映画】『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』レビュー “団体戦のあるべき姿”

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 前作『キック・アス』よりパワーアップのリアル・ヒーローズ映画『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』のレビューです。クロエ・グレース・モレッツ主演で、ジム・キャリーも参戦。クロエたんの可愛さも過激さも前作を超える衝撃ぶりでした。日本公開は2014年2月。

 ストーリー:キックアスことデイブは退屈な日々に堪え兼ねて、ヒットガールことミンディーに訓練をしてもらっていた。ミンディーは殺された父に鍛えられたのと同じように、デイブを防弾チョッキ越しに実際に銃で撃つなど過激な特訓をデイブに行う。同じく父親をキックアスに殺されたレッドミストことクリス・ダミーコはふとしたことから事故的に母親を死なせてしまい、そのせいで遺産が舞い込み、NYで最も金持ちの子供となったのを機に名前をマザーファッカーに改名、キックアスへの復讐を企てる。
 学校に通いつつもデイブとともに再度街の治安維持活動に繰り出したミンディーは、父亡き後の保護者であり、警察官でもあるマーカスにヒットガールとしての活動を見つかり、ヒットガールとしての人生を諦めることを強要される。一方的に訓練を切り上げられたデイブは、インターネットを通じで、同じようなリアル・ヒーロー自警団を見つけ、参加することになる。そしてスターズ大佐(ジム・キャリー)をリーダーとするチーム、ジャスティス・フォーエバーは、ひょうんなことから参加していたデイブの友人のマーテイーも加えて、街の治安のために悪との闘いをはじめる。
 一方、普通の女の子になろうと努力していたミンディーも、結局は学校の女子たちの嫌がらせにあい、そこが本当の自分の居場所ではないことを悟る。
 そしてキックアスへの復讐のため悪の仲間をかき集めていたマザーファッカーは、ジャスティス・フォーエバーの基地でもあるスターズ大佐宅を襲撃、彼を惨殺する。それを機に、ジャスティス・フォーエバーの仲間を捜しはじめたマザーファッカーたちは途中に警官を10人も殺すなど過激化し、そのせいで神経質になった警察は覆面を被り町中で治安活動を行う全ての人々を逮捕して行く。その逮捕命令のなかにはキックアスも含まれていた。
 キックアス、マザーファッカー、そしてヒットガールらはそれぞれの父親を巡る因縁から、再度衝突することになる。

 レビュー: 10歳そこそこの女の子が容赦なしに大人たちをぶち殺していくことが前作『キック・アス』における最大の見所だとするのなら、本作はあらゆる意味でさらに過激な方への一歩を踏み出している。まず前作では子供らしさが強調されていたヒットガールことクロエ・モレッツも成長し、それに比例するように暴力描写も過激になっている。もはや子供らしさによる暴力への中和作用は働いていない。特に序盤でばっさりと悪党の腕を切り落とすシーンでは、この映画の決意表明を叩き付けられたようで、それに拒否反応を示す人もいるだろう。事実、共演のジム・キャリーは本作の暴力描写が過激だとして一切のプロモーション活動に関わらなかった。そのせいか彼の魅力は本作ではほとんど発揮されていない。前作でいうところのニコラス・ケイジと同じようなポジションを期待されたのだろうが、全くはまっていない。観客は『ケーブル・ガイ』のようなコメディーを超えて怖くなるようないかれっぷりをジム・キャリーには期待しているのに、普通のおじさんを演じただけで、これならもう誰だっていい。
 確かに本作は過激なシーンが前作よりも多い。しかしそれは大したことではなく、本作が素晴らしいのは、まずはアクション・シーンにしっかりとした見所があること。もちろんそれはヒットガールによってもたらされる。特にカーアクション・シーンでの、走っている車から振り落とされた人はその後どうなるのか、という疑問にもしっかりと答えているところは素晴らしい。そして何よりヒットガールの格好良さも際立っていた。
 そして本作で最もテンションがあがるのが、これが団体戦つまりはチームとしての闘いを描いていることだ。前作『キック・アス』が止めどなくインフレしていくスーパーパワーへのアンチテーゼとして作られたのと同じように、マーベルの『アヴェンジャーズ』や、DCコミック作品で映画化も決定している『ジャスティス・リーグ』などのスーパーヒーローたちの集合を求める人々への別回答として作られている。だとするのなら『アヴェンジャーズ』や『ジャスティス・リーグ』で描かれる世界が、どんどんと巨大化することと同じ文脈で本作は過激な暴力描写から逃げることはできなかったのだろう。多くが集合する闘いは確かに興奮するが、同時に流される血や痛みも大きくなる。『アヴェンジャーズ』ではその事実と向き合っているように見せて最後はただの美談で済ませる。そういった面では本作『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』の方が、物事の摂理と紳士に向き合っているとも言える。故に本作の最後の場面では、流れとしては『アヴェンジャーズ』や『ダークナイト・ライジング』とほとんど同じなのに、個人的にはより興奮した。
 本作を過激だからと言って敬遠するのは簡単だが、その過激さが時代の必然に支えられていると思えば、何の問題もない。 妙な倫理観に惑わされず、ヒットガールの勇士に歓喜しよう。

 ※これよりネタバレします。本作は2014年2月に日本公開が決定していますので、劇場観覧予定の方はここで別のページにでも移動してもらえるとうれしいです。ネタバレします、注意してください※

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 キックアスの逮捕のためにデイブの自宅に訪れた警官たちは、キックアスとしてデイブではなく彼の父親を逮捕する。そしてこの事実を掴んだマザーファッカーは、留置署内でデイブの父親を惨殺。その写真をデイブの携帯に送りつける。
 デイブの父の葬式。そこで素顔を晒したジャスティス・フォーエバーの仲間たちに引退を告げるデイブ。その場をマザーファッカーの手下たちが急襲。ミンディーとデイブはロケットランチャーにより吹き飛ばされ、デイブは車で拉致されてしまう。このまま終わりかと思われた車内で、こだまする銃声。一人、また一人とマザーファカーの手下たちが撃ち殺される。車の屋根にはヒットガール。すべてを吹っ切った彼女は悪党ども葬り去っていく。
 そしてキックアスの拉致し、惨殺してそれをインターネットにアップしようとしてマザーファッカーに煽動され、多くの悪党どもがマザーファッカーの仲間になっていた。そこに現れたヒットガール、そしてキックアス。多勢に無勢かたと思われるも、そこにはジャスティス・フォーエバーの仲間たちだけでなく、正義を信じる多くのリアル・ヒーローズも駆けつけていた。 
 そこで正義と悪のリアル集団により決闘がはじまるのだった。

 ということで最後の最後はどうなるのか映画を観て楽しんでください。ジム・キャリーの批判に対して主演のクロエたんは男前なことを言っています。「これは映画よ。映画を見る人たちにやってはいけないことを教えてくれるのも映画なのよ」と。まさにその通り。興奮度満点のおすすめ映画です!

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