ヴィン・ディーゼル主演『ラスト・ウィッチ・ハンター』レビュー

The Last Witch Hunter 1

『ワイルド・スピード』のヴィン・ディーゼルが不死身の魔女ハンターを演じる『ラスト・ウィッチ・ハンター(原題)』のレビューです。800年前にかけられた呪いのせいで死ぬことができなくなった魔女ハンターが原題のニューヨークで因縁の魔女と再戦するダーク・ファンタジー。

『ラスト・ウィッチ・ハンター/The Last Witch Hunter』

全米公開2015年10月23日/日本公開2016年9月30日/ダーク・ファンタジー/106分

監督:ブレック・アイズナー

脚本:コリー・グッドマン、マット・サザマ、バーク・シャープレス

出演:ヴィン・ディーゼル、イライジャ・ウッド、ローズ・レズリー、マイケル・ケイン、ほか


レビュー

『ワイルド・スピード』シリーズのヴィン・ディーゼルがアストンマーチンを乗りこなす魔女ハンターを演じた『ラスト・ウィッチ・ハンター』は、最初から断っていくと、残念なほどに面白くなかった。ただ面白くない映画は数あれど、本作は「残念」に思うほどに面白くない。その理由は後から述べるが、ヴィジュアルも世界観もキャラクター設定も悪くないだけに、とにかく面白くないことが残念なのだ。

物語は13世紀の中世ヨーロッパからはじまる。そこに登場する髭もじゃで髪もふさふさ(ぼさぼさ?)のヴィン・ディーゼル演じるコールダーはウィッチ・ハンターと呼ばれる魔女狩りの達人で、黒死病をばら撒き人々を殲滅しようとする女王魔女(クイーン・ウィッチ)を退治しようと仲間たちと女王と住む洞窟へと向かう。そこでコールダーは女王魔女を討つことに成功するも、その代償として不死の呪いをかけられてしまう。

死ねなくなったコールダーは現代のニューヨークで暮らしている。人間の住む世界の裏で魔女たちの世界もあり、人間の知らないところで魔女たちは生きていた。人間と魔女の平和な関係を監視する組織の一員として、不当な魔法を使う魔女たちを取り締まっているコールダーには人間の「ドラン」と呼ばれる相談役として付いて、36代目となるドランはマイケル・ケイン演じる老人だった。

そしてある日、マイケル・ケイン演じるドランが殺されてしまったことでコールダーは得体の知れない怪しい影を感じることになる。新しくイライジャ・ウッド演じるドランを相棒に、そして他人の潜在意識や夢のなかへ入りこむことができるクロエ(ローズ・レズリー)の力を借りることで、コールダーは怪しい影の正体が800年前に殺したはずの女王魔女が復活しようとしていることを知る。

不死の魔女ハンター、コールダーは因縁の女王魔女の野望を食い止めるべく、決死の戦いを挑む。

Last Witch Hunter Starring VIn Diesel Rose Leslie and Elijah Wood

話の筋自体は『アンダーワールド』や『ブレイド』といったヴァンパイア系映画に近く、実は大部分の人間には知られていない闇の世界が存在するという設定で真新しさは別にない。それでもダーク・ファンタジー映画として登場する魔女やクリーチャーの造形は念入りに作り込まれており、安っぽさはない。特に人間世界と魔女世界のちょうど中間に位置する場所の退廃的なゴシック調の雰囲気は、十分に評価できる。

またヴィン・ディーゼル演じる不死の魔女ハンターも、人間と魔女のちょうど境界でアストンマーチンを乗り回す「無所属」な存在として魅力的だった。長く生きているだけあって色々と因縁も豊富そうだし、ヒット次第ではフランチャイズ化も視野に入れた設定だったはずだ。

つまり世界観は全然悪くない。

それでも全体として面白くない理由とは、単純にストーリーが整理されていないということだ。100分少々の作品としてはプロットが多く詰め込まれすぎている。特に物語上で主人公コールダーの相棒となるキャラクターは最初はイライジャ・ウッドで途中からクロエ(ローズ・レズリー)に変わるため全体のバランスが著しく悪くなる。しかもクロエがパートナーになっている時にはイライジャ・ウッドは全く登場せず場面が完全に切り分けられており、何かしらの意図があっての編集だろうと感ずいてしまう。

ウィッチにウィッチハンターにドランにドリームウォーカーと、何でも詰め込めばいいわけではないのだ。

また限られた時間でたくさんのプロットを詰め込もうとした結果、シーン毎に説明パートが組み込まれることになり当然のことながら話のテンポも悪くなる。しかし説明パートが用意されていても、いまいち何が起きているのか理解できないようなシーンもあって非常に具合が悪い。終盤になっての「お前誰だっけ?」という展開はよろしくない。

そして最大のがっかりポイントがラストにある。ネタバレとなるので何が起きるかは明かさないが、一悶着あってからのドンデン返しがあまりにもあっさりと処理されてしまうのだ。この部分での違和感がそのまま前述したプロットの未整理と重なっており、結局はラストシーンからの逆算で映画を作っているようにしか思えない。序盤で描かれる中世世界でのシーンや、現代における魔女の立ち位置の説明がなされる飛行機内のシーンなどは、物語の導入としては成功していただけにそれからの「ごちゃごちゃ」感が目立ってしまう。

本作のメガホンを取るブレック・アイズナーは2010年に『クレイジーズ』というジョージ・A・ロメロ監督作「ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖」のリメイク作品で高評価を得たことで、2005年には確変前のマシュー・マコノヒーとペネロペ・クルス共演の『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』を監督し大コケしたのだが、本作もそれと同じ轍を踏んだと言える。大きな世界観や舞台での物語が明らかに不得手で、アイデアを持て余しているのがよくわかる。

最初に溜まった期待感が最後まで補充されることなく、ひたすら漏れ続けていく。マイケル・ケインやイライジャ・ウッドという脇役の必要性もわからない。とにかく残念な映画だった。

『ラスト・ウィッチ・ハンター(原題)』:

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Summary
Review Date
Reviewed Item
ラスト・ウィッチ・ハンター
Author Rating
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1 個のコメント

  • これは・・ひどい・・・
    タイトルと主人公の立ち絵から
    ウェズリー・スナイプスのブレイドやキアヌ・リーブスのジョンヴィッグのような
    厨二全開で頭空っぽにして見れるアクションを期待して見たところ
    アクションもストーリーも山なし谷なし、最後まで「どの辺が盛り上がりどころなん?」としかい言いようがない印象(予算かけて作ってる分余計にその感じがひどい)

    ヴィン・ディーゼルの無駄遣い
    金の無駄遣い

    ヴィン・ディーゼルの出演してきた映画の中で間違いなく一番つまらない
    ヴィン・ディーゼルが名優であるにしろないにしろ
    大スターであることは間違いないわけで、そういう人がこんな酷い脚本と構成の映画に出てしまって
    ハズレを引いてしまってお気の毒とお悔やみを申し上げたくなる

    2時間無駄だった

    これは見ないほうがいいです
    まじ時間の無駄

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