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映画レビュー|『テッド2/TED 2』-大丈夫、病気なんかじゃない!

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史上最も下品な奇跡の物語、『テッド2』のレビューです。子供を欲しがったクマのテッドがその権利を求めて裁判で戦うコメディ。主演はもちろんマーク・ウォールバーグとテッドの声は監督でもあるセス・マクファーレン。共演にはアマンダ・サイフリッド、モーガン・フリーマン、そして超豪華なカメオにも注目。日本公開は2015年8月28日。

『テッド2/TED2』

全米公開2015年6月26日/日本公開2015年8月28日/アメリカ映画/115分

監督:セス・マクファーレン

脚本:セス・マクファーレン、アレック・スルキン、ウェレズリー・ワイルド

出演:マーク・ウォールバーグ、セス・マクファーレン(声)、アマンダ・サイフリッド、モーガン・フリーマン他

あらすじ(ネタバレなし)

魂がテディベアに宿ったテッド(セス・マクファーレン)は無事に最愛のタミ・リン(ジェスカ・バース)と結婚するも、1年後には倦怠期の夫婦よろしく、大ゲンカをしてしまうのだった。それでも何とか彼女との関係を修復したいと思うテッドは、子供を作ることを提案する。そして親友のジョニー(マーク・ウォールバーグ)と最高の精子を探して、アメフトのスター選手の自宅に侵入したりするも結局は、ジョニーの精子を使うことにする。

しかし妻のタミ・リンは過去のドラッグ乱用のせいで子供が産めなくなっていたので養子を迎えようとするも、ここで大問題が発生。そもそもテッドは憲法上「人格」が認められておらず、特殊な「モノ」としか規定できなかった。そのことが公になったためにテッドは職も失ってしまう。

そしてテッドは「モノ」でないと思うジョニーは裁判おこすことを提案。新米弁護士サマンサ・ジャクソン(アマンダ・サイフリッド)とともにテッドの「人権」を求めて行われた裁判は全米の注目の的になる。

一方で執拗にテッドを付け狙うドニー(ジョヴァンニ・リビシ)はこの騒動に乗じて恐ろしい計画を実行に移そうとしていた。

果たしてテッドは意思ある存在としてその権利が認められることになるのか!

※ネタバレのストーリー解説は次のページで※

レビュー(一部ギャグバレあり)

お下劣ギャグの連続も最後はなぜかほろり!:

前作をご覧になられれば十分にわかることだが本作『テッド2』もずいぶんとヒドい映画だった。何がヒドいって、兎に角、最初から最後まで、小学生が好きそうな下品なギャグのオンパレード。小学生には理解できないだろうギャグは決まって低レベルに変態化した下ネタか、マリファナ関連、もしくはアメリカのエンタメ業界を皮肉った内容となっており、洗練されたユーモアなどは一ミリも登場しない。とにかくヒドいのだ。そして言わずもがな、そこが素晴らしい。

物語はテッドが無事に結婚することで幕が閉じられた前作から引き続くかたちで始まる。幸せな結婚生活も1年後には破綻寸前。テッドは自分が散々ドラッグ関連に出費しておきながら、妻の浪費を口うるさく非難。大ゲンカの末に、これではイカンと思ったテッドは子供を作ることを提案する。ここから本作の大騒動が始まり、後は雪崩のように物語は展開していく。

前作同様に80年代カルチャーを扱った愛ある悪ふざけは健在で、『フラッシュ・ゴードン』のサム・ジョーンズは再び登場するし、デビッド・ハッセルホフも本人役で出演している。また『ロー・アンド・オーダー』もテッドの裁判と絡めてネタにされている。と、ここまでならわかる奴だけ笑えばいいという清々しい姿勢で評価できるのだが、ギャグのなかにはかなりギリギリなものも登場する。特に去年他界したロビン・ウィリアムズや、黒人コメディアンの先駆けであり全米で尊敬される存在でありながらも現在は常習的なレイプ疑惑で問題となっているビル・コスビーを、笑いのネタにしようとするのはセス・マクファーレンの悪い癖(アカデミー賞でもそうだった)である過剰さが露見してしまった格好になっていた。ただしそういったセス・マクファーレンの空気を読まない性質はそのままテッドの性格となっているので、解釈によってはテッドの未熟さを描いているとも受け取れるが、さすがにロビン・ウィリアムズいじりは笑えなかった。

それにしても前作同様に日本語字幕はどうするのだろうか?前作よりは抑え気味になったとはいえ、まだまだアメリカ国内限定ネタは満載だった。トム・ブレイディやジェイ・レノなんかは日本人には馴染みがない。ただしその代わりにリーアム・ニーソンの無駄使い(一番の爆笑どころ)や、映画終盤の舞台をコミコンに設定したことで、映画ファンの内輪気質を徹底的に逆手に取った前作よりは一般的な笑いになっている。またクレジットにはリーアム・ニーソンの名前が前の方に登場するが、完全なカメオで物語には一切タッチしていないのでご注意を。

普通ならこの手のギャグ優先の映画は良くて三ツ星という評価なのだが、本作は実はストーリー部分でも結構しっかりとしている。特にテッドが意思ある存在かそれともただのモノなのか、というストーリー上の核心部分が前半ではギャグの対象として扱っておきながら、後半にはコメディ映画の範囲内で真面目に取り組んだりもする。その落差のせいで、ラストにはちょっと感動させられたりもした。なかなかずる賢い映画なのだ。

あと本作を観てから個人的な評価がぐっと上がったのが、トランスフォーマーなどを手がけるおもちゃ会社の「ハズブロ」。テッドのぬいぐるみを販売している関係から断るに断れなかったのかもしれないが、そのCEOが極悪人物として描かれている。会社名を出すとすぐに抗議する狭量な会社が多いなか、悪徳企業を嬉々として引き受けたハズブロは偉い。また新米弁護士役のアマンダ・サイフリッドが『ロード・オブ・ザ・リング』に登場するゴラムに似ているという女性にはヒドすぎるネタも、逆に彼女の心意気を証明する形になっている。でも実際に並ぶと本当に似ていた。

などなど笑いのネタは数限りなくあり、『ジュラシック・ワールド』の記録的大ヒットを見越したようなシーンなど見所は十分。また性的な下ネタは前作より控えめな一方で、下ネタ自体は強化されているし、マリファナネタもたっぷり。内容はシンプルながら120分近い上映時間が維持できるのも本編とは関係のないギャグのおかげ。

童心に戻ったつもりで「う◯こ」とか「ち◯ぽ」とかで笑ってみるのもたまにはいいでしょう。前作で大爆笑した人は必見です。

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※次のページにネタバレのストーリー解説あり※

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