【映画】『ミュータント・タートルズ』レビュー ※ネタバレページあり

マイケル・ベイ製作、ジョナサン・リーベスマン監督で現代に蘇った『ミュータント・タートルズ』のレビューです。事前の予想通りの大味映画であるとともに、“正しい”日本理解の映画でもあります。本年度は『ゴジラ』を筆頭にハリウッドで日本の存在感が際立った年でもありますが、やっぱり日本と言えば“ニンジャ”ですよね。日本公開は2015年2月7日に決定。

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■ストーリー ※ネタバレなし■

テレビ番組のリポーターを務めるエイプリル(ミーガン・フォックス)は生活情報の取材ばかりで、自分が願っていたジャーナリストとしての仕事ができずにイライラしている。そんなときに通りかかった港で、なにやら不審な動きを見せる集団を発見する。それは最近ニューヨークで暴れ回っているギャング集団“フット・クラン”だった。エイプリルが現場に近づこうとしたその時、突然に現れた謎の集団によって“フット・クラン”の連中は一瞬で一掃されてしまった。驚いたエイプリルは数枚の写真を収めるも、決定的な場面は写っていなかった。

“フット・クラン”と謎の自警集団の存在を記事にしようとするエイプリルだったが、上司(ウーピー・ゴールドバーグ)は証拠が不十分として突き返す。イライラが募るエイプリルは同僚カメラマンの運転する車に同乗中に、地下鉄から逃げてくる人々を発見し現場に直行する。それは“フット・クラン”の仕業でエイプリルも彼らに捕まってしまう。大勢の人質が爆弾の餌食になるかと思われたその時、暗闇のなかから謎の集団が出現し、“フット・クラン”の兵士らを次々とのしていく。あっという間に“フット・クラン”は捕まるも、エイプリルは謎の集団を追跡。そしてとうとう写真撮影に成功するも、エイプリルの前に現れたのは、亀のミュータントで、ニンジャで、しかもティーンエイジャーの4人組だった。彼らはエイプリルに写真を削除することと自分たちの存在を他言しないように脅してから、暗闇の中に去っていった。

興奮のなかエイプリルにはひっかかるものがあった。そして家に戻った彼女は死んだ科学者の父が遺した資料を読み返し、そして自分が幼かった頃に父の研究所で可愛がっていた亀たちを思い出す。父の所属していたグループは生物の突然変異の改良を目指しており、それはミュータントと同様だったのだ。そしてニューヨークに出没する自警団の正体は、その時の研究対象だった亀だと確信する。

再びボスに事情を説明するも、英語をしゃべる未成年のニンジャの亀がニューヨークを守っているという話に呆れかえってしまい、エイプリルはクビになってしまう。悔しさのなか職場を後にするエイプリルは同僚カメラマンに事の次第を話すもやはり信じてもらえない。最後の望みとして彼女は父の同僚であり、現在は大企業の社長を務めるサックスの元を訪れる。温かく向かい入れてくれたサックスは、エイプリルに過去の研究について説明する。そして何か出来ることがあれば連絡するようにと名刺をエイプリルに渡す。

一方、下水道のなかでは4名のタートルズに厳しい罰が与えられていた。タートルズには父親代わりのスプリンターというねずみの師匠がおり、無断で外出したとして罰が与えられていた。そしてピザを餌にしてタートルズから事の経緯を説明されたスピリンターは直ちにエイプリルをここに連れてくるように命令する。彼女に身に危険が迫っていることを察知したのだった。

ニューヨークを恐怖に陥れる計画に近づいてしまったエイプリル。ニューヨークの存亡は今、4名のティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズに託された!

■レビュー ※ネタバレなし ■

プロデューサーがマイケル・ベイで、監督が『タイタンの逆襲』や『世界侵略:ロサンゼル侵略』のジョナサン・リーベスマンとなれば本作の内容も推して図ることができる。一言で言えば、大味映画なのだ。しかも映画の内容が、やけにノリのいい人型カメ4人組がニューヨークを救うというもの。小難しい顔で鑑賞するタイプの映画では決してない。

まず日本でも90年代にテレビでアニメシリーズが放映されており映画も作られているためある一定の年齢層(30代から40代)には馴染みのある物語だが、いかんせん設定がぶっ飛んでいるため、『ダークナイト』や『X-MEN』のように過去作とは意図的にトーンを変えてリブートされた作品群とは違って、『トランスフォーマー』シリーズのように映像技術の革新という部分に需要のある作品となっている。

その点では見所満載である。まず90年代に三本つくられた映画やアニメに観られるようなタートルズのカワイさは全くない。それどころかかなり“キモチ悪い”。体はムキムキで三本指の手に二本指の素足が何度となくアップで映され、顔もグロい。また原作では日本人のDNAを受け継ぐネズミのスプリンター先生もアニメでは威厳と可愛さを兼ね備えた最強戦士として描かれているが、本作ではかなり汚らしい。特にだらんと垂れた髭が常に湿っており、アップにされるとちょっときつい。こういった描写はマイケル・ベイのイヤらしい過剰さの賜物という感じがするが、不思議と物語が進むにつれて“グロ・キモチ悪い”印象から“グロ・カワイイ”に変わってくるのだから不思議だ。

そして本作最高の見所は、日本の描き方である。2014年のハリウッドシーンは過去にないほどに日本的要素が華やかな状況であるが、本作でも明らかに日本語話者ではない役者による日本語シーンがあったり、物語上重要となるいくつかのワードが“ホゴシャ(保護者)”や“家門”や“先生”である。そして適役はロボットタイプの侍なのだ。日本人からしたらあまりにいい加減な日本観であるが、それらに嫌味や蔑みといった悪意は一切ないので、ここは「こんなの日本的じゃない!」とか言わずに、「そうそう、こういうの日本じゃ珍しくないよね」くらいの大きな気持ちで臨みたい。

想像の通り、本作は決して大した映画ではない。アクションの見せ場も少なく、続編を思わせるような結末もあまりに淡白だ。それでも2時間越えが当たり前となった大作映画のなかでしっかりと100分に収めたことは評価したい。しかもマイケル・ベイが絡んでいる映画なのになかなか車が爆破されないと思っていたら、最後でしっかりと、しかも爆笑とともに一台の車にロケット・ランチャーをぶちこんでくれた。評価は散々な作品だが、この映画を低評価する人とはそもそも『ミュータント・タートルズ』に何を望んでいるのかわからない。ミーガン・フォックスのお尻アップがあって、亀のニンジャが刀や十手やヌンチャクを振り回し、ロボット侍は登場して、亀がラップを歌って、車も爆破されるのだ。それでいいじゃないか。

ちなみに『トランスフォーマー』シリーズのようなあからさまなお色気シーンはないが、ミーガン・フォックスが「THサウンド(舌を甘噛みしての“ス”)」の発音の時に、周りからしっかりと見えるように異常なまでに舌を押し出しているのは絶対にわざとだと思う。途中から気になって気になって本編に集中できなくなってしまった。いや、批判してるんじゃないですよ。とてもいい習慣だと思います。

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※次のページにてネタバレのストーリー解説を行います。注意してください!※

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5 件のコメント

    • 初めまして、デールさん、
      シュレッダーの倒し方ですが、まあ、なんというかこれが結構残念なんですよ。
      特別な方法もないんですが、ただ高いところから落ちるんです。
      でも、続編を匂わすような終わり方でシュレッダーは倒されていないかも?

    • そもそも続編ありきでスタートした企画のようです。
      もちろんタートルズが落としますよ。
      でも終わり方は、え!?これで、終わり?みたいな感じでした。
      ラストのバトルシーンは個人的には消化不良でした。

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