今ウクライナで起きていること、Q&A

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日本でも報道されている通り、東ヨーロッパのウクライナでは大規模な武力衝突によって大量の死傷者が出ている。欧米のニュースではソチ五輪よりも大きく扱われているが、ここでは現状を理解するための簡単なQ&Aを作ってみた。

・今ウクライナでは何が起きているのか?

デモ隊と治安維持部隊との衝突が始まったのは現地時間の18日朝。憲法修正案が協議されていた議会議事堂に向けてのデモ行進中に、デモ隊と警官隊とが衝突。石や火炎瓶で武装したデモ隊に対し、警官隊はゴム弾などで応戦。同日夜にデモ隊が選挙していた広場に警官隊が突入し、広場の一部を支配する。

19日には停戦が宣言されるが、再度衝突がおき、20日の衝突では60名以上が死亡する惨事に。

この3日間で約100名の死者が出た。

・衝突の原因は?

西は欧州連合に、東はロシアに接しているウクライナは長くEUとロシアの影響力がぶつかり合う最前線であった。ウクライナ国内でもEU支持派とロシア支持派の対立が長く続いていたが、政府は長引く景気後退と経常赤字を解消するためにロシアとの関係強化を表明。それに反対する反ロシア派のデモ隊は昨年後半より首都キエフ中心部を占拠し、ヤヌコビッチ大統領の退陣を求めていた。

・ウクライナとロシアの関係とは?

ソ連崩壊によって独立したウクライナだが、文化的には東ヨーロッパのみならず中央ヨーロッパとも関係が深く、2004年にポーランドやスロバキアなどがEUに加盟したことでEUとは陸上や黒海ルートなどで直接国境を接するようになる。それを背景にウクライナ国内でもEUへの参加議論が激しくなる。しかしウクライナはロシアから欧州へ送る天然ガスパイプライン上にあり、ロシアにとっては地政学上最重要地域でもあった。2006年と2009年にはウクライナのEUへの接近への牽制からロシア側がウクライナへのガス供給を停止。ウクライナのみならず欧州も巻き込んだエネルギー問題へと発展する。

こうしたロシアの強権を非難する声は強いものの、自国での消費する天然ガスの大半をロシアに依存していることから、エネルギー供給を政治交渉の手段として人質に取られている形となっている。

・今後のウクライナ情勢は?

大規模な政府側による武力弾圧をEUは強く非難し、ウクライナ政府に対し査証拒否や資産凍結を含む制裁を発動することを決定。アメリカも経済制裁を視野に入れた対応を取ると明言する。

またウクライナ政府側も事態解決へ向けた早期の大統領選実施を呼びかけるも、依然として不透明な情勢だ。

仮に大統領選が実施され政権組織が変わったとしても、国内対立の問題が解決される訳ではなく、2004年には大統領選の結果への抗議運動としてオレンジ革命と呼ばれる、現在の対立と同様の事件も起こっており、あくまで問題の先送りにしかならないという見方が強い。実際にはロシアからの経済支援なくしては2015年に迫っている対外債務の支払い義務を果たすことは難しく、EUにもウクライナを救済する余裕はない。しかしヨーロッパ的な民主化への機運の高まりは止む気配はない。

現在、人口280万人の首都キエフの都市機能は麻痺しており、最悪の場合は国を二分する内戦状態への突入の可能性も出ている。

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参照記事:TIME
参照記事:THE WALL STREET JOURNAL
参照記事:毎日新聞
参照記事:Cnn.co.jp

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