2014年公開映画としてクリント・イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』が全米最高成績を記録することに。『ハンガー・ゲーム3』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を追い抜く。
日本でも大ヒットのクリント・イーストウッド監督作、ブラッドリー・クーパー主演の『アメリカン・スナイパー』が2014年全米公開作品のなかで最高成績($337.2 million)を記録することが判明。これまで首位だった『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』や2位だった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を抜き去り、全米最大のヒット作となった。
関連記事(2015年1月記事):2014年全米公開映画成績に変動!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が『ハンガー・ゲーム3』に抜かれる!
これは前代未聞の出来事といっても過言ではなく、イーストウッド作品の全米興行成績が平均70億円ほどであることや、シリーズ作品でないこと、娯楽大作でないこと、そしてR指定映画であること、などこれまでのヒット映画の常識をすべて塗り替えるような大ヒットです。
これは近年のアメリカにおいて戦争映画がヒットするという顕著な例の一つと言えるかもしれません。2013年公開で、本作の主人公クリス・カイルとも友人だったマーカス・ラトレルを描いたマーク・ウォールバーグ主演の『ローン・サバイバー』も全米だけで約150億円ほど稼いでいます。
日本では『アメリカン・スナイパー』は「反戦映画」として観られることが多いですが、本国アメリカではもっと幅広く、批判も巻き起こるほどに、ある種の危うさを秘めた作品として観られていることがこのヒットからも伺えます。この映画が単純な「反戦映画」だったのならここまでアメリカでヒットすることは考えられません。もちろんこの傾向をアメリカが自国の中東戦略の誤りに自戒的に気がついたとも捉えられるとも思いますが、同じく本作にアメリカが理想とする戦場のヒーロー像を見出している人も相当いることでしょう。
それにしてもやはり戦争映画が年間最大ヒット作になるというのは、アメリカらしくないようで、アメリカらしいのかもしれません。ちなみに世界中を対象にした映画では2014年世界最大のヒット作は『トランスフォーマー』です。10億ドルとか桁違いなのです。
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参照記事:COLLIDER
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