ジャック・フィニィの原作小説『盗まれた街』を映画化した56年の『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』をワーナー・ブラザーズが再度リメイクする方針であることをDeadlineが伝えています。
『ダーティハリー』のドン・シーゲルが監督した『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』は度々リメイクされていて、78年のフィリップ・カウフマン監督作『SF/ボディ・スナッチャー』が有名。また近年では2007年にニコール・キッドマンとダニエル・クレイグが共演した『インベージョン』も『盗まれた街』の四度目の映画化作品。
よく見知ったはずの隣人がこれまでと違って見え、知らず知らずに誰かに「侵略」される人間性の恐怖を描いた傑作SF。
『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』は50年代のSF映画にあって、同時期の作品とは違った視点から「マッカーシズム/赤狩り」への批判ともなっている傑作。他人が変わっていることに気がつかないということは、自分が変わっても誰も気がつかないのでは、という漠然とした恐怖も描いている。
ワーナー・ブラザーズがジョン・デイヴィズをプロデューサーに迎え、脚本にはフランク・ダラポン門下生で『死霊館 エンフィールド事件』のデヴィッド・レスリー・ジョンソンが担当予定。
フィリップ・カウフマン監督が78年に『SF/ボディ・スナッチャー』を発表した時は、ジム・ジョーンズの人民寺院の信者たちがジョーンズタウンで集団自殺を図り900名以上が死亡する事件と重なったが、『盗まれた街』の映画化は時代の空気と関連しているとなれば、まさに混沌の現代はリメイクにもってこいではないでしょうか。
[ad#ad-pc]