アジア全域において、その影響力を表立って行使しようとしている中国の影は、ネパールのチベット人にも及んでいると国際的な人権監視機関『HUMAN RIGHTS WATCH』が報告している。
ネパールは中国からの亡命チベット人にとって重要な逃避先となっている。そのためネパールには亡命チベット人が多く暮らしている。そして以前は比較的自由に行うことができた政治的行動が、最近ではネパールの公安組織の度重なる人権侵害によって苦しめられている。これは事実上のネパール国内でのチベット人による政治行動の禁止を意味している。
こうした状況に対して『HUMAN RIGHTS WATCH』のアジア局長は「ネパールは現在、チベット人による平和的な抗議を禁止し、ネパールでの市民活動を威嚇するという、抑圧的な状況下にある」と警告している。
そしてその背景には近年の中国の影響力が強く関係しているとされている。
日本ではほとんど報道されないが現在チベット本土におけるチベット人への人権弾圧はこれまでにないほど悪化している。100人を超える僧侶たちが焼身自殺による最後の抗議を行っていながらも、彼らへの弾圧は止む気配はない。
そういったチベット人にとってネパールはインドと同様に、重要な亡命ルートにひとつとなっている。
今月半ば(4月17日〜)のダライ・ラマ法王の来日に関連して、同じ仏教徒の受難には胸が痛む。
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