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『スター・トレック BEYOND』でのスールーの同性愛者設定についてサイモン・ペグが説明

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サイモン・ペグ、『スター・トレック BEYOND』でのスールーの同性愛者設定に関するジョージ・タケイの批判に返答!「これまでSF映画に同性愛者が登場しなかったことこそが不幸」

『スター・トレック BEYOND』でジョン・チョー演じるヒカル・スールーが同性愛者であるという新設定が施されることについて賛否が巻き起こっています。そのなかでオリジナルでヒカル・スールーを演じ、自身も同性愛者であることをカミングアウトし、今回の設定変更に影響を与えたジョージ・タケイは今回のスールーの新設定について否定的な意見を表明しました。

ジョージ・タケイはTHRに対し、「同性愛者が作品に登場するのは喜ばしいが、(『スター・トレック』の生みの親)ジーン・ロッテンベリーの世界観を覆すのは、大変に残念で不幸なことだ」と語りました。

このジョージ・タケイの意見は、今回の新設定に批判的なファンの声を集約しています。偏見や差別とSF作品を通して戦ってきた『スター・トレック』シリーズのファンなら同性愛者のキャラクターが登場することに反論はしないでしょうが、それがヒカル・スールーというオリジナルで確固たる個性を発揮していた主要キャラクターに対して施されることに違和感を感じているのでしょう。

そしてこのジョージ・タケイの意見に対して、今回の設定変更で主導的な役割を果たしたサイモン・ペグがThe Guardianに反論を寄せています。

ぼくはジョージ・タケイを心から愛し尊敬しているよ。彼の信念、勇気、ユーモアはいつだって刺激的だ。しかし今回のスールーに対する意見に関しては同意しかねる。彼は今回の新設定を不幸な出来事と語ったが、それはまさに正しい。でも本当に不幸なこととは、寛容な世界の実現を描くSF世界にこれまで同性愛のキャラクターが登場しなかったことだ。確かに僕らは今回新しい同性愛設定を施した。でも彼にせよ彼女にせよ、彼らが何者かであるまえにその性的嗜好を問われることは、差別撤廃を訴えながらも何もしない建前主義と同じだよ。

ジャスティン・リンも ダグ・ジョンウもぼくも今回のアイデアを気に入っているよ。ぼくらの良く知るキャラクターにも偏見に影響されない過去があったんだ。彼らの性的な方向性とはたくさんの個性のうちのひとつでしかない。それによって性格が決定付けられるものではないんだ。それにファンは知っていることだろうけど、『スター・トレック』には度々同性愛者らしきキャラクターが登場する。この世界ではゲイのヒーローだって珍しいことじゃない。そしてこれも重要なことなんだけど、スールーは同性愛者であることを恥じてクローゼットのなかで過ごしてきたわけじゃないよ。そんな必要なんてある? ずっと前からクルーは知っていたんだよ

この『スター・トレック』は別の世界線での出来事を描いている。ぼくらの時間線では性的指向だって変わってしまうんだ。このアイデアが意味するのは、多次元宇宙の仮説において世界線を跨いでしまえば、人々の性的指向も変わる可能性を秘めているということだ。ぼくらはどこかでは同性愛者なんだ。どの次元にぼくらが生きようが、愛する人をただ愛するだけなんだ(そしてぼくはジョージ・タケイを愛している)。これはただ愛についての問題なんだ。それでは平和と永久の命を

ということでこのサイモン・ペグの意見が全てではないでしょうか。ジョージ・タケイもかつてジーン・ロッテンベリーに『スター・トレック』に同性愛キャラクターを登場させるべきと提言していたことがあるだけに、実は今回の設定変更は時代の要求であったのかもしれません。

シリーズ最新作『スター・トレック Beyond』は2016年7月22日に全米公開、10月21日に日本公開。楽しみですね。

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