【ゴジラ第15作】『メカゴジラの復讐』について

7月25日公開のハリウッド『ゴジラ』を記念して、全28作ある東宝ゴジラ作品を全て見直すというマラソン企画の第15弾は『メカゴジラの逆襲』です。オリジナルゴジラと関係深い本多猪四郎と平田昭彦にとっての最後のゴジラであり、昭和シリーズ最後のゴジラ映画でもある本作。本田演出の真骨頂がここにあります。

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『メカゴジラの逆襲』1975年製作

監督:本多猪四郎

特撮監督:中野昭慶

脚本:高山由記子

出演者:佐々木勝彦、藍とも子、睦五郎、平田昭彦ほか

音楽:伊福部昭

・ストーリー

前作でゴジラとキングシーサーとの闘いに敗れたメカゴジラの残骸を回収するために深海を調査中だった潜水艦は、突如現れた恐竜のような怪獣によって破壊されてしまう。海洋学者の一ノ瀬は、15年前に恐龍チタノサウルスをコントロールしようとする研究を行っていた真船博士(平田昭彦)を見つけようとするが、真船の娘の桂に博士は死んだと告げられる。

だが実際は真船博士は生きており、自分の研究を笑いものにし学会から追放した人間に復讐するために、メカゴジラの生みの親であるブラックホール第三惑星人と結託し、チタノサウルスとメカゴジラによって地球を征服しようとしていた。

実は娘の桂は実験中に一度死んでおり、宇宙人の科学力によってよみがえったサイボーグだった。そうとは知らずに、桂に恋心を寄せる一ノ瀬は偶然に発見されたチタノサウルスの弱点である超音波装置の存在を明かしてしまう。

チタノサウルスへの対抗手段を宇宙人によって破壊されてしまうなか、とうとうチタノサウルスとメカゴジラは東京に出現。東京に取り残された少年たちの助けを求める声に、ゴジラが参上。2体の強力な怪獣を相手にするゴジラはさすがに分が悪く、押され気味となるも、超音波装置の修復を終えた防衛軍が参戦。チタノサウルスの動きを止めることに成功する。

一方、真船博士の陰謀を察知した防衛隊は博士の自宅を捜索、そこに捕らえられていた一ノ瀬を救出し、真船博士を射殺。そしてサイボーグとなりメカゴジラのコントロールシステムとなっていた桂だったが、一ノ瀬からの愛の告白を受けて、人間の心を取り戻し、自分を殺すことでメカゴジラの機能を停止させる。

ゴジラは動かなくなったメカゴジラを破壊し、チタノサウルスも葬り去る。

闘いを終えたゴジラは、最後の出動を惜しむようにして海に帰っていくのだった。

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・感想

本作は当時としてはゴジラシリーズワーストとなる観客動員数97万となり、これを受けて東宝はゴジラ映画の製作を休止することを決定。これにて昭和ゴジラシリーズは終了となる。また本多猪四郎の最後の監督作品であり、ゴジラシリーズの常連である平田昭彦にとっても最後のゴジラ映画である。

まず本作はカメラワークがおもしろい。少ない予算から精巧なミニチュアが作れなかったこともあるだ、そのため怪獣を見上げるショットが多用され、臨場感を作り出している。とくにチタノサウルスの登場シーンではカメラレンズに水滴が付いている。ただし潜水艦やヘリの特撮は予算の関係からか、かなり質素だ。久しぶりに復活した都市破壊描写も迫力に乏しい。

本作での怪獣シーンは後半に固まっており、人間ドラマにより多くの比重がよせられている。とくにマッドサイエンティスト役の平田昭彦の怪演は、オリジナルで演じた実直で正義感の強い科学者の姿を知っていれば尚のこと、凄みを増す。サイボーグ少女が愛によって心を取り戻すという設定は安っぽい気もするが、決して嫌いではない。

気になる点としてや観る人全てがツッコミをいれずにはいられない「恐龍」のイントネーションだ。最初は普通なのに途中から「キョウ(↗︎)リュウ(↘︎)」と変わるのは訳が分からない。チタノサウルスは本来は温厚ながらも人間にコントロールされることで凶暴化するという面白い設定ながら、この発音で萎えてしまう。

そして前作であれほど強かったメカゴジラも本作では全くいいところなし。キングギドラ同様に消化不良な存在だ。

本作で1954年をはじまりとする昭和ゴジラシリーズは終了し、9年後の1984年から新たなゴジラシリーズがはじまることとなる。

まだまだ先は長い。

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1 個のコメント

  • ついに主役をメカゴジラに奪われてしまった悲しいゴジラさんであります。
    メカゴジラシリーズ第二段。

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