BEAGLE the movie

映画ジャーナル<ビーグル・ザ・ムービー>

映画『パシフィック・リム』実写オリジナル原作映画としては本年度No.1ヒット!!嬉しいけど単純に喜べない事情、、

昨日(9/27)に梅田のブルク7にて映画パシフィック・リムの最終上映を観てきました。

夜9時からのレイトショーということもありましたが、客の入りは約8割強といったところ。結構女性客もいました。てっきり私みたいな30過ぎのぱっとしない男がほとんどだろうと思っていたので驚いた。
Pacific-rim-3

さてめっきり秋らしくなってきた今日この頃、もうロボットや怪獣の話題もそろそろにしたいと思っているのですが、海外のサイトにこんなニュースが載っていました。

“Pacific Rim”Grossed More Worldwide Than Any Other Live-Action Original Film This Year.
“パシフィック・リム”本年度オリジナル実写映画で最高収益を記録。

記事を要約すると、アメリカでは1億ドル程度の収益とパッとしなかったものの、中国での1億1千万ドルの収益が後押しとなり、全世界興行収入が4億ドルを超えたということです。ちなみに今年公開された映画としては第十位の記録となり、オリジナル作品に限ればドリームワークスのアニメ『クルードさんちのはじめての冒険』(5億8千万ドル) に次ぐ成績だったといいます。

ハリウッドのオリジナル作品の枯渇問題に関してはここ数年ずっと叫ばれていることですが、結果としてアメコミ原作のシリーズ作品がメガヒットを連続している以上、制作側としてはなかなかオリジナル作品に高額な制作費を与えることは難しいのでしょう。

この記事の最後にも注意書きとしてありますが、実はこの『パシフィック・リム』にしても制作費が約1億8千万ドルでプロモーションや劇場側取り分を換算すれば大ヒットと呼べるものではありません。ちなみに制作費がほぼ同額のアイアンマン3の全世界興行収入は約12億ドル。桁違いのヒットなのです。

Iron-Man-3-Movie-HD-Wallpaper_Vvallpaper.Net

来年公開予定の映画も大作と呼ばれるもののほとんどは続編やリブート作品です。もちろん好きな作品が焼き直されて更に良い作品となり生まれ変わることはファンとしては大歓迎ですが、同時にこういった状況は今後10年というスパンでは維持することは不可能だと考えます。

スパイダーマンやX-Menなどのシリーズに至ってはシリーズ終了後すぐにリブートされるという過剰なコンテンツ依存が、さほど問題視されないままなっていることは冷静に考えれば少し異常です。しかもそれらシリーズの続編公開の間隔の短さは、ここ最近毎年アイアンマンを観て、バットマンを観て、スパイダーマンを観ているような錯覚にさえ襲われるくらいです。

さすがにスピルバーグが最近になって、こういったシーリズもの大作映画にのみ高額な制作費が流れ込む現在の映画事情に苦言を呈しました。彼の言い分では、こういった状況がされに続けば、何億ドルもの制作費を注ぎ込んだ映画のみが映画館での公開を許されるようになり、観客の趣向は画一化され、そしてそれは映画チケットの高騰を呼んで、結果的に観客は映画館から離れていくだろうと予見しています。大作映画のみが公開されて、それ以外の作品は公開されることなくテレビにスルーされてしまうと言うのです。それを裏付けるように実際にスピルバーグの『リンカーン』はテレビドラマとして放送される寸前だったということです。

Irony

そのような意見がある一方でクリストファー・ノーランのように既存のシリーズを扱うことで巨額の制作費を得て、『ダークナイト』のような野心的な作品を作る監督もいます。一概にシリーズものが悪いとはいえませんが、『パシフィック・リム』に熱狂した(まあ、一部のファンのみだが)この夏を思えば、やはりオリジナルの偉大さを痛感します。来年もこれまでに観たことのないような新しい世界観を提供してくれる映画に出会えることを期待しましょう!!

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