全米映画俳優組合賞(SAG)助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリのスピーチ全文
アカデミー賞の前哨戦として注目される全米映画俳優組合賞(SAG)が発表され、助演男優賞では『ムーンラント』のマハーシャラ・アリが受賞。トランプ政権が特定のイスラム国家からの入国を禁じる大統領令を発布したことに対して、自身もイスラム教徒であるマハーシャラ・アリが壇上から魂のこもった言葉で反論しました。
とても素晴らしいスピーチだったので以下に全文翻訳します。
Mahershala Ali of @moonlightmov #sagawards pic.twitter.com/q9txL6fW8R
— SAG Awards® (@SAGawards) 2017年1月30日
『ムーンライト』への出演を通して私が学んだこととは、虐げられた人々の行く末です。劇中で幸運にも私が演じることになったホアンとは、コミュニティからのけ者にされる少年を見守り、彼が本当はどれほど重要な存在なのかを教え勇気付ける役柄でした。そんな彼の想いを少年も受け入れます。私はこういった関係が現実にも求められていると思います。
些細なことに捕らわれてしまうとき、その詳細は物事を複雑に変えてしまいます。一人の人間の特徴を個性として感じることができる一方で、その違いを理由にして憎悪を生み出して戦いを開始することもできます。私の母はキリスト教の聖職者でしたが、私はイスラム教徒です。今から17年前に私が改宗したことでも母は何も変わりませんでした。しかし今はっきりと言えるのは、お互いが違う立場に立つことでこれまで以上に母のことを理解することができました。彼女もまた私を以前に増して理解してくれています。お互いが愛し合っているのです。愛は育むものです。憎しみなど些細なもので、重要ですらありません。
『ムーンライト』はマイアミの貧困地域に暮らす一人の黒人男性の幼少期、成長期、成人期で構成されたドラマ映画。麻薬中毒の母親にネグレクトされ、学校でもいじめの対象となった少年にとって唯一の救いとなる存在がマハーシャラ・アリ演じるホアン。
男であること、黒人であること、アメリカ人であること、、、、といった様々な「〜であるべき」という社会からの無言の圧力によって犠牲にされる自由。
映画『ムーンライト』は2017年春、日本公開予定。
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