【ゴジラ第六作】1965年『怪獣大戦争』について

7月25日新作『ゴジラ』公開までに全28作を見直すという過酷なマラソン企画第六弾は『怪獣大戦争』です。

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『怪獣大戦争』1965年公開

監督:本多猪四郎

特撮監督:円谷英二

脚本:関沢新一

出演:宝田明、ニック・アダムス、水野久美、土屋嘉男ほか

音楽:伊福部昭

・ストーリー ※ネタバレあり

木星の衛星として新たに発見されたX星。地球連合宇宙局の富士(宝田昭)とグレン(ニック・アダムス)は調査のためX星に向かい、そこで高度な技術を持ったX星人と出会う。しかしX星では宇宙怪獣キングギドラが暴れ回っていて、X星人は地下での生活を強いられていた。そこで以前地球に向かったキングギドラがゴジラとラドンによって追い返された経緯を知るX星人は、ガンの特効薬を提供する見返りにゴジラとラドンを貸してほしいと願いでる。

友好的なX星人の姿に歓迎ムードが広がり、X星人がゴジラとラドンの住処を言い当てたことも加わって、交渉は成立。質量を問わない高度な輸送方法によりゴジラとラドンはX星に運ばれる。そしてX星にてゴジラとラドン対キングギドラの闘いがはじまり、前回封印していた熱光線を使用したゴジラたちが簡単にキングギドラを撃退。ゴジラは嬉しさのあまり『シェー』を連発する。

一方、X星人を完全に信じきれなかった富士とグレンであったが、X星人よりガンの特効薬が記載されていると言われて渡されたテープを再生すると、そこにはX星人による地球侵略の声明が収められていた。X星人は特殊な電磁波を利用してキングギドラを操っており、今回の地球との交渉でゴジラとラドンも手にしたことになった。

X星人による地球侵略のカウントダウンがはじまる中、グレンは交際中だった日本人女性波川(水野久美)が実は地球侵略のために送り込まれていたX星人だと知るが、全てをコンピューターによって支配されていたはずの波川はグレンと出会い恋をすることで目覚め、グレンに重要な情報を託し、仲間から殺されることになる。

波川の情報からX星人は特殊な音波が弱点であるこを掴むと、その音波=レディーカードを利用してX星人に反撃を行う。また富士も電磁波で操られているゴジラとラドンを正気に戻すために、電磁波妨害装置を作り上げる。

地球人の反撃とゴジラとラドンの襲撃のために作戦失敗に終わったX星人統制官(土屋嘉男)は最後に自爆という道を選ぶ。

そして地球では正気に戻ったゴラジとラドンが、最強宇宙怪獣キングギドラとの決戦に挑むのだった!

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・感想

怪獣と未来科学という二大コンテンツを融合させた本作は、色々な意味でゴジラシリーズのなかでも『ゴジラ対ヘドラ』と違った方向性としてのカルト映画となっている。

まずゴジラが『シェー』をする。これには二年後の作品でゴジラに息子がいることからも、キングギドラを撃退した喜びというよりは童貞を喪失した嬉しさのためではないか、と言われてもいる。しかも飛びながらの『シェー』を連発するのだった。ちなみにアメリカでは『Dancing Godzilla/踊るゴジラ 』と呼ばれており、とにかく楽しそうでよかった。

そして忘れてはいけないのがX星人の存在だ。統制官役を演じた土屋嘉男の独特なジェスチャーと、X星語は一見の価値ありだし、水野久美はミステリアスな演技もいい。衣装や挙動などは『ギャラクシー☆クエスト』の宇宙人に影響を与えているように思う。そして統制官の「我々は未来に向かって脱出する。まだ見ぬ未来に向かって」と呟き自爆するシーンは悪役設定なのにとにかくカッコいい。悪には悪の言い分があることが描かれている。

またミニチュアを使ったX星のシーンは見応えがあります。もちろん50年前の映画ですので、どうみてもミニチュアにしか見えないが、その一つ一つが作り込まれているためCGとは違った説得力がある。

ただし今回は大規模な都市破壊はなく、怪獣映画と言うよりも、空想科学世界が強く出ているため、以外とゴジラの存在感は薄い。ラドンに至ってはほとんど飛ばないし、リストラ寸前である。

またしても地球を救ったゴジラ。やっぱりゴジラが地球の味方になることに違和感はありますが、それでもゴジラシリーズのなかでも必見の一作であることに間違いありません。オススメです。

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5 件のコメント

  • またまた通りすがりのオヤジです。
    統制官の最後のセリフはワタクシ的に非常に気に入っておりますので、改めてここに全文を記しておきます。
    「地球基地…我々は脱出する…未来に向かって脱出する…未だ見ぬ…未来に向かってな…」(円盤と地球基地ドーン)
    素晴らしい。覆面侵略宇宙人の首領はミステリアン統領を含めて土屋氏抜きには語れませんね。
    また、東宝自衛隊マーチ(別名怪獣大戦争マーチ)が完成した記念碑的映画でもあります。原曲はゴジラ1954(大戸島調査船出港とフリゲート艦隊展開時)にも聞こえていますが。

    • trevalさん、どんどん通りすがってください。
      ご指摘のセリフはしびれますよね。
      悪役が最後に一番カッコいいという、何とも粋なラストですね。
      私もこの作品のミニチュア撮影が大好きで、今でも暇な時に見直してしまいます。
      この手の空想科学の世界観は、ダメだと分かっていても好きなってしまうのはなぜでしょう?

  • この映画、非常に好きで昔あった(保険会社かなんか?)体育館の上映とかTV含めて、ビデオ以外で10回以上は見てますね。

    統制官の最後のセリフも印象的ですが、「第二班。攻撃開始」の復唱と共に始まる怪獣大戦争マーチの行は忘れられません。
    怪獣総進撃の東京のシーンもですが、攻撃命令と共に始まるマーチは強く印象に残ります。

  • 怪獣と未来科学と、もうひとつ組み合わされた要素をあげるとすれば、スパイものです
    情にほだされて裏切る女エージェントとか、まさに。
    二人でバンガローに泊まったとか、男女が深い関係になったことを仄めかすのはゴジラ映画では極めて異例なことですが、大人向けと子供向けのバランスが上手な作品だと思います。

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