ギレルモ・デル・トロ監督作『パシフィック・リム2』の製作が電撃中止!『コング:スカル・アイランド』でのユニバーサルとの関係悪化が原因か?
朝から大変悲しいニュースをお伝えしなければなりません。ギレルモ・デル・トロ監督で続編の撮影が迫っていた『パシフィック・リム2』がキャンセルされました。そうです、製作中止です。『パシフィック・リム2』の製作が中止されました。
公開日まで決定している作品がクランクイン直前に中止されるという前代未聞の出来事ですが、その裏にはなかなか複雑な背景があります。ちょっと順を追って説明します。
『パシフィック・リム2』の製作中止の理由とは?
もともとレジェンダリーはワーナーと組んで『ダークナイト』三部作などのヒットを飛ばしていましたが、その後2013年にレジェンダリーはワーナーとの提携は終了しユニバーサルを新たなパートナーとして選びました。
しかし先日、レジェンダリーはユニバーサルとの関係を見直して、『コング:スカル・アイランド』をワーナーと再び製作すると発表しました。この背景には2014年の『ゴジラ』がワーナーとの共作であり、『キングコング対ゴジラ』を念頭においた選択だとされています。つまりレジェンダリーはユニバーサルとの関係悪化を承知しながらも、『キングコング対ゴジラ』を取った、ということです。
こういった経緯からユニバーサルがレジェンダリーに不信感を抱くようになり、そして今回の悲報に繋がります。
ヒット作連発のユニバーサル、そしてパッとしないレジェンダリー
ファンの間でこそ『パシフィック・リム』は高い評価を受けていますが、興行的には決して成功した作品ではなく、中国での記録的な追い風がなければ制作費の回収さえ危うかった。結局はユニバーサルがその興行的ポテンシャルを見切ったということでしょう。
ご存知の通り2015年はユニバーサルの当たり年でした。そしておかげでレジェンダリーも『ジュラシック・ワールド』の製作に途中参加しており、ユニバーサルのおかげで大きな利益をあげました。一方でレジェンダリーのヒット作といえば、、、、ありません。今年公開で「これはレジェンダリー!」という作品は存在せず、日本公開が避けられた『Seventh Son』くらいしかそれらしい映画は作られていません。つまり、ユニバーサルからすれば自分たちの利益を吸い上げる一方で、自分たちには何も還元しないのがレジェンダリーとなってしまったのです。
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『クリムゾン・ピーク』、そして『ウォークラフト』と軋轢が重なる
これにはユニバーサルとレジェンダリーの映画感の違いが浮き彫りになった形といえます。公開が迫っているギレルモ・デル・トロ監督最新作『クリムゾン・ピーク』ではPG13を主張するユニバーサルと、R指定で思い通りに表現したい制作側とが対立、そして2016年に公開予定の『ウォークラフト』は制作費だけが膨らんでいき、何度も公開延期が発表される問題作。こういったレジェンダリー主導での映画にユニバーサル側が不信感を抱いた結果、『パシフィック・リム2』は製作中止となったようです。
もう『パシフィック・リム』は観れないのか?
今回の『パシフィック・リム2』の製作は中止されても、今後の可能性もゼロということではないでしょう。考えられる希望の光とは、レジェンダリーとユニバーサルが「短い時間でも一緒にいれてよかった。ここから君は君の道を行きたまえ、ぼくはぼくの道を行く」くらいの寛大な心で後腐れなく別れを選び、そしてレジェンダリーはワーナーと再びパートナー契約を締結すれば可能性がないわけではなないと思います。
しかしただでさえ忙しいギレルモも悔しいでしょうが、僕らも悲しいです。いつの日か、またイエガーが観れることを期待しつつ、続報が入り次第お伝えします。
参照記事:COLLIDER
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