2016年の中国の映画興行が前年比で+3.73%と、昨年の+48.7%という成長から大きく鈍化したことが判明!中国映画バブルはハジけたか!?
近年急激なスクリーン数の増加に合わせてマーケットが急成長していた中国映画業界だが、2016年の中国映画興行の成長率は前年比で+3.73%に止まったことが中国広電総局発表の発表によって明らかになった。
活況を見せる全米の成長率が前年比で+2.1%だったことを考えれば、中国の+3.73%も決して悪い数字ではないのだが、昨年15年の前年比では+48.7%だったことを考えれば、驚くべき低成長と言える。
この十年は年に35%という成長を維持してきた中国映画市場だが、中国国内のスクリーン数が41,179に達し、アメリカを抜いて世界一のマーケットとなった2016年にその成長の鈍化が顕著に現れる結果となった。
2016年の初頭は中国の歴代興行記録を塗り替えたチャウ・シンチー監督作『人魚姫』の大ヒット(全世界で5.5億ドル)によって昨年からの成長を引き継ぐ好発進を見せるも、その後は前年同月比で下回るようになった。
中国のワンダ・グループによる米国の映画館チェーンAMCエンタテインメントや、『ゴジラ』や『パシフィック・リム』のレジェンダリー・ピクチャーズの買収などの爆買いが話題になり、2017年にはアメリカを抜いて世界一の映画市場になることが期待されているが、今回の急激な鈍化は中国映画市場の成熟なのか、それとも過剰な投資が招いたバブル崩壊の始まりなのか、気になるところ。
今回の急激な成長鈍化については、中国産映画のクオリティの問題や、そもそもこれまで発表されていた成長率が本当なのかという素朴な疑問、中国経済自体の成長鈍化など、さまざまな要因が指摘されている。
一方で現在中国ではマット・デイモン主演でチャン・イーモウ監督作の歴史大作『グレートウォール』(日本公開2017年4月14日)が大ヒットを記録中。
また2016年に中国で公開された映画のうち、国産作品は772本で、外国映画は92本に止まっている。日本の場合は1980年代に外国映画の公開本数が邦画を抜くも、2000年代半ばからは邦画が若干上回るようになっている。
2016年だけで1,612もの映画館がオープンした中国。スクリーン数では40,759のアメリカを抜いて世界一となった中国だが、一度は落ち着いてしまった成長率を再び盛り上げることができるのだろうか。
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