『複製された男』の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの起用がほぼ確実となった『ブレードランナー2』に関するプレスリリースを読んだ。リドリー・スコットの立場が不明な点が気になる。
すでに速報としてお伝えしている『ブレイドランナー2』に関する公式情報(【速報!】『ブレードランナー2』監督に『複製された男』のドゥニ・ヴィルヌーヴと交渉中と公式発表!2016年夏には撮影開始!)に関して、そのプレスリリースを注意深く読んでみました。
プレスリリースで伝えられた内容の主なトピックは下記の通り。
- 『ブレードランナー2』の監督には『プリズナーズ』や『剥製された男』のドゥニ・ヴィルヌーヴと交渉中
- 『ブレードランナー2』の撮影は2016年夏に開始
- 脚本はハンプトン・ファンチャー(オリジナル『ブレードランナー』の脚本家)がマイケル・グリーン(『グリーン・ランタン』など)と一緒に、リドリー・スコットとファンチャーのアイデアを基にして担当
- ハリソン・フォードはリック・デッカード役で出演
- 『ブレードランナー2』はオリジナルの結末から数十年後の世界を舞台にしている。
プレスリリースは『ブレイドランナー』の権利を取得していたアルコン・エンターテインメントによって発表され、アルコンは2013年にドュニ・ヴィルヌーブ監督で『プリズナーズ』を製作しており、この時の経験が今回の抜擢につながったと思われる。
リリースの中身そのものは当たり障りのないもので、上記のトピック以外に目ぼしい情報はないのだが唯一気になったのが、リドリー・スコットへの言及がほとんどないこと。脚本を担当するハンプトン・ファンチャーとマイケル・グリーンが、リドリー・スコットのアイデアを基盤にすると語られている点がほとんど唯一の具体的な役割であり、リリースの最後の方に「アルコン・エンターテイメントは『ブレードランナー』の続編をリドリー・スコットとともに制作する」と言及されているだけで、正式に肩書きは付けられていない。
2011年にアルコンが『ブレードランナー』に関する権利を買い取った時、まず監督候補に挙げられたのはクリストファー・ノーランだった。それでもオリジナルの世界観を重要視したのか、企画の核はリドリー・スコットに任され、そこからは脚本の内容が小出しにされる状況が続いていた。そして2014年にはリドリー・スコットの監督降板とプロデューサー就任が伝えられ、数歩後退したかに思われていたのだが、そんな中での今回のリリース発表。
もちろん長く待ち続けていたファンには嬉しい知らせだが、個人的にはSF作品未経験のドゥニ・ヴィルヌーヴの力量以上に、リドリー・スコットが本作にどこまで関与しているのかが気になる。77歳という高齢から映画製作の最前線に居続けることが厳しくなっているのかもしれないが、やはり彼にメガホンを取ってもらいたかった。こういった背景から余計に『エクソダス』とは一体何だったんだ、という気持ちが強くなるのだ。
まあ、とにかくまだ公開まで時間があるので気長に待ちます。お騒がせしました。
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参照記事:/FILM
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