デレク・シアンフランス監督最新作『The Light Between Oceans(海を照らす光)』を原作小説から解説/最新情報まとめ

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『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督最新作、マイケル・ファスベンダー、アリシア・ヴィキャンデル、レイチェル・ワイズ共演の感動ドラマ『The Light Between Oceans(海を照らす光)』を原作から徹底紹介!

『ブルーバレンタイン』『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』のデレク・シアンフランスが監督・脚本を務め2016年9月2日から全米公開される『The Light Between Oceans(原題)』を原作小説『海を照らす光』から徹底解説します。

出版されるや各種レビューで絶賛されベストセラーになったM・L・ステッドマンの処女小説『海を照らす光』を、新作がもっとも期待される監督のひとりデレク・シアンフランスが映画化。そして『スティーヴ・ジョブズ』のマイケル・ファスベンダー、『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデル、『ナイロビの蜂』のレイチェル・ワイズと人気実力ともに申し分ないキャストが参加。

最高のキャスト・スタッフで作られる魂を揺さぶる感動作。

原作小説『海を照らす光』あらすじ

20世紀初頭のオーストラリア。戦争を経験しボロボロになって祖国オーストラリアに戻ったトム・シェアボーンは、臨時の灯台守として孤島ヤヌスに赴任してきた。見知らぬ土地の、誰も住んでいない孤島での孤独に人生の価値を見出すトムだったが、近くの港町で出会った美しいイザベルを妻に迎え、誰にも邪魔されないたった二人だけの孤島での生活にこれまでにない幸せを感じていた。

しかしイザベルは流産してしまう。深い悲しみにくれる夫婦のもとに、ある日、一隻のボートが流れ着いた。そこには死んだ男性の遺体のほかに元気に泣く赤ん坊が乗せられていた。

本土に連絡すべきか?

しかし死産の悲しみにくれていたイザベルは、その赤ん坊を神様からのプレゼントと信じて疑わず、トムに本土への連絡をやめさせ、自分たちの子供として育てるように説得する。

こうしてルーシーと名付けられた赤ん坊は健やかに育ち、イザベルは元気を取り戻すが、トムの心は揺れていた。そしてやがて事態は思いもよらぬ方向へと向かっていく。

誰かを愛することで、そして誰かを想うことで引き裂かれていく夫婦の絆の行方とは、、、

映画版『The Light Between Oceans(海を照らす光)』スタッフ&キャスト

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出典:Indie Wire

監督・脚本:デレク・シアンフランス

2010年長編映画第2作目となるライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ共演の『ブルーバレンタイン』で絶賛される。そして再びライアン・ゴズリングと組んだ『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』でも高い評価を受ける。監督だけでなく脚本も担当し、巧みな演出と編集表現によって息苦しいまでのリアルな心理描写を得意とする。

今もっとも新作が期待される映像作家のひとり。

トム・シェアボーン:マイケル・ファスベンダー

戦争を経験し、心に大きな傷を負い、孤独を愛するようになったトム・シェアボーンを演じるのは『それでも夜は明ける』や『スティーブ・ジョブズ』のマイケル・ファスベンダー。今後も『アサシン・クリード』や『プロメテウス』続編といった大作映画への出演が予定される中、ドラマ性の強い映画にも出演し続けている。

過去の傷と亡き母への後悔を抱えながら生き、やがては愛を知ることで揺れる心に悩まされるようになるトム・シェアボーン。たったひとりで灯台を守り続けることに深い意味を見出す孤独な男を高い演技力に定評のあるマイケル・ファスベンダーが演じる。

イザベル:アリシア・ヴィキャンデル

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出典:Deadline

トムの妻イザベルを演じるのは『エクス・マキナ』でブレイクし、同年公開の『リリーのすべて』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル。

愛情が深く良き妻であるがゆえに、運命の過酷さに翻弄されることになるイザベルを『ジェイソン・ボーン』への出演や、2018年にはリブート版『トゥームレイダー』への主演が決定するなど 旬な女優アリシア・ヴィキャンデルが演じる。『エクス・マキナ』で見せた無機質な演技とは正反対の激しく揺さぶられる彼女の感情が物語の重要なポイントになる。

ハナ・レンフェルト(レイチェル・ワイズ)

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出典:Wallpaperboom

物語の鍵を握る女性ハナ・レンフェルトを演じるのは『ナイロビの蜂』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したレイチェル・ワイズ。彼女の登場によって物語は動き出す。

映画『The Light Between Oceans(海を照らす光)』の予告編

美しい自然のなかで描かれる幸福と苦しみとは、、、

The light between oceans 1

出典:Deadline

「未来について話すことはできません。あなたがおっしゃっているのがその未来だとすればね。ぼくたちは空想したことしか、あるいは望んでいることしか話せません。それは未来とは違うんですよ」

『海を照らす光』M・L・ステッドマン著、古屋美登里訳 p64

凄惨な戦争を経験したトム・シェアボーンは未来に多くを望まない生き方を選んだ。孤独を愛し、単調のなかに日々の生き甲斐を求める。しかしそんなトムも無邪気で天真爛漫なイザベルと出会うことで徐々に内向きだった人生観を修正していく。

灯台守という仕事の責任感だけが人生の生き甲斐だったトムにとって、イザベルとの生活は幸福の連続だった。

しかしある日、一隻のボートに乗った赤ん坊が島に流れ着くことでトムの心はこれまでにないほどに揺れ動く。それは彼の職業倫理だけでなく、過去の戦争体験や、イザベル、そしてルーシーと名付けられた罪なき赤ん坊の未来までも彼は背負うことになる。

『ブルーバレンタイン』や『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』で見せたデレク・シアンフランスの編集の巧みさは、そのままこの原作小説にも活かされるだろう。とにかく構成力が光る原作だった。

20世紀初頭のオーストラリアの空気感と戦後の厭世観がトムの心境を通して見事に表現されており、そこからイザベルという「天使」と出会うことでトムが人間としての感情に目覚めていく過程は、時代性とは関係なく現代にも通じる普遍的な経験でもある。また戦争で人が殺されるのは戦場の戦士だけでないという事実が本作の最初から最後まで一貫しており、後半の展開と決断に大きく影響することになる。

トムとイザベルの二人だけが暮らす孤島での生活も丁寧に描写されるために、その関係性が後半のミステリーとしての展開を強く下支えしている。物語そのものはシンプルなのに、トムとイザベルを中心とした人間関係が濃密に描かれるために、彼らの心理の揺れ動きが物語の魅力となっている。これを映画化するのなら高い演出力と演技力が求められることはよくわかる。原作を読めば尚更、映画にも期待したくなるキャストとスタッフが揃っている。

そしてこの原作を読みながら2つの日本映画のことを思った。ひとつは子供を取り違えられたふたつの夫婦の姿を通して現代家族の肖像と普遍的な親子愛を描いた『そして父になる』、そしてもうひとつは戦前戦後と日本の辺境を点々とする灯台守の夫婦を描いた木下恵介監督作『喜びも悲しみも幾歳月』、この2作品を観たときの感情が、『海を照らす光』を読むことで蘇ってきた。

『そして父になる』は正解のない問題に苦しみ家族の姿のなかに親子の尊さを見出し、『喜びも悲しみも幾歳月』は灯台守という厳しい仕事の傍で経験する喜びと悲しみの果てに、育て上げた息子が船に乗って異国の地へと向かうことで人生を総括する夫婦が描かれる。

この2作品の要素は確かに『海を照らす光』に凝縮されている。

灯台、親子、夫婦が持つ本来の意味を通して、喪失と再生を描く力作。これを『ブルーバレンタイン』監督で、マイケル・ファスベンダー、アリシア・ヴィキャンデル共演で映画化されるのだから、注目しないわけにはいかない。

デレク・シアンフランス監督最新作『The Light Between Oceans(海を照らす光)』は2016年9月2日から全米公開。

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