7月25日に公開される2014年版『ゴジラ』の大ヒット祈願として、これまでの東宝ゴジラシリーズを全て見直そうという過酷なマラソンン企画、第23弾は『ゴジラ2000 ミレニアム』です。98年に公開されたハリウッド製エメリッヒ版『ゴジラ』の不評を受けて、東宝が重い腰を上げた本作。ミレニアムシリーズの幕開けです。
『ゴジラ2000 ミレニアム』2000年製作
監督:大河原孝夫
脚本:柏原寛司、三村渉
出演:村田雄浩、阿部寛、西田尚美、佐野史郎、鈴木麻由など
音楽:服部隆之
・ストーリー
ゴジラ予知ネットワークの篠田が、海底を動く震源から予想した通り、ゴジラは根室に突如出現。ゴジラは発電所を破壊した。一方、鹿島灘沖の海底付近で強い磁力を帯びた隕石のような岩石が発見される。危機管理情報局の片桐の指揮の下、新しいエネルギー資源となりうるとの考えから、岩石を引き揚げようとするも、突如それは自力で浮上をはじめる。測定の結果、その岩石の内部に6000年前以上昔に地球に飛来した地球外生命体の可能性が浮上する。
根室を襲ったゴジラはそのまま南下を開始し、東海村の原子力発電所を襲う公算が高まる。片桐は自衛隊を配置し、ゴジラの皮膚を貫通することを目的とした新兵器フルメタルミサイルでゴジラの抹殺を試みる。上陸したゴジラに対して優位に闘いを進めていた自衛隊であったが、突如として謎の岩石が飛来し、ゴジラを攻撃した。ゴジラも放射熱線で応戦するも、相打ちとなり、ゴジラは海に撤退し、謎の岩石は金属部分を露出したまま停止した。
篠田は飛散したゴジラの肉片からゴジラが持つ驚異的な回復能力の元となる細胞「オルガナイザーG1」を発見するも、翌朝、太陽の光をエネルギーとした岩石は、完全に金属体となって新宿に飛来。シティータワー屋上に接近したまま、触手のようなものを伸ばして、タワーのコンピューターシステムに侵入していた。
爆発命令がくだったシティータワーで決死の覚悟で情報招集をしていた篠田は、その岩石の正体は宇宙人ミレニアンで、目的はゴジラの「オルガナイザーG1」の機能を使って失われた肉体を取り戻すことであり、地球の大気構成を変えて新楽使用としていることがわかった。
そんななかゴジラが新宿に出現。とうとう肉体を得たエイリアンと地球の命運をかけた死闘を繰り広げる!
・感想
本来は前作の『VS デストロイア』でゴジラシリーズは休止したはずだったが、98年のエメリッヒ版『ゴジラ』の不評を受けて、東宝が日本版ゴジラの再制作を決意して作られた本作。これまでとは違った新しい『ゴジラ』像を構築しようとした訳だが、結果、御都合主義だけが目立つ作品となってしまった印象。
前半はなかなかいい。ゴジラ予知ネットワークという民間のゴジラ監視団体と、内閣直属の危機管理情報局の対比は面白いし、登場人物も個性豊かだ。実体を失った地球外生命体ミレニアンの設定もまずまずだし、ゴジラの新しい造形も賛否あったが、悪くない。こういった設定が開示される前半部は後半への期待感を煽ってくれるのだが、残念ながらその期待感は徐々に失望へと変わっていく。
まず一つ一つの描写にリアリティーが全くない。海底に沈んだ巨大な岩石が10個程度のバルーンで浮力を得てしまったり、またCGの安っぽさがだけが原因ではなく、とにかく結論ありきで逆算したように物語が進んでいくので、途中からほとんどついていけなくなる。特に篠田の洞察力が物語のほとんどの推進力になっており、さすがにそれはない。せっかくゴジラ予知ネットワークの同士たちを前半に見せているのだから、彼らに活躍の場を与えてやるべきだった。
そして最大のポイントが本作ではほとんどゴジラが“ほったらかし”にされていることだ。序盤にゴジラが根室の発電所を襲ったとき、篠田は「ゴジラはまるで人間のエネルギーを憎んでいるようだ」というこれまでにない新しい設定を持ち込んでおきながら、そういった部分が後半に全く活かされていない。結局は怪獣と化した宇宙怪物オルガを撃退してくれる、地球にとっての“都合のいい”ゴジラでしかない。そういった部分を打ち消そうとラストでは無駄に新宿を破壊したり、『アキラ』のラストまるパクリの人類による自己批判からの前向きモードに突入したりするのだが、もうゴジラのオリジナリティーとかどうでもいいと諦めてしまったとしか思えない。
個人的にはこの2000年頃から一気にゴジラへの関心がなくなってしまう。ゴジラが無理に難しくなってしまった頃だと思う。
84ゴジラからデストロイアまでは映画館でみたのですが、
いや、98年のアメリカ版までは映画館でみたのですが、ミレニアムシリーズは5年ほど前に初めてみました。
ゴジラシリーズって何気に駄作のほうが多いように思う。
こんにちは。先日地上波のを録画で見ました。ちょっと残念なのが茨城の砂浜に上陸する時のシーンに合成したゴジラが妙にグラグラしていて不自然だったのと、最後の対決シーンの打撃音が「ペチッ、ペチッ」と軽かった所でした。
ラストはゴジラが阿倍さんだけ落としただけで他に人がいるのに進路を変えたのかイマイチ謎なので、阿倍さんを攻撃ヘリ等で特効させてそれによってゴジラの進路が変わってその他モロモロが助かるみたいな感じにして、
人間には確かにゴジラのような醜い部分があるけど、それだけが人間ではないと子供が悲観しないようにフォローして欲しかったかなぁ。