ソニー・ピクチャーズが公式に『スパイダーマン』のマーベル・シネマティック・ユニバースへの合流を発表。プレスリリースを読み解く!
現地時間2月9日の20時にソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオの連名で衝撃のプレスリリースが発表されました。マーベルコミックスの中心的コンテンツでありながらも、これまでソニー・ピクチャーズが映画化権を保有しシリーズ化を続けていた『スパイダーマン』が今後『アベンジャーズ』などのマーベル・シネマティック・ユニバースに関与することになると公式に発表されました。
その発表の翻訳し、読み解いてみましょう。
ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントは『スパイダーマン』シリーズにマーベル・スタジオを招き入れることを決定した。
全く新しい『スパイダーマン』がマーベル・スタジオのケビン・フェイグによって、エイミー・パスカル(元ソニー・ピクチャーズ代表)とともにマーベル・シネマティック・ユニバースに登場することになった。
この契約より、新しい『スパイダーマン』が初めてマーベル・シネマティック・ユニバースに登場することになる。ソニー・ピクチャーズは今後も400億ドルの売り上げを記録している『スパイダーマン』のシリーズ化を続け、その最新作が2017年7月28日に、共同プロデューサーとなるマーベル・スタジオのケビン・フェイグ率いるチームとともに13年に渡って『スパイダーマン』シリーズと関わってきたエイミー・パスカルの手によって制作される。ソニーとマーベルは共同で「蜘蛛の糸」の新しい行く末を制作することになる。またソニー・ピクチャーズは今後もこのシリーズに出資し、配給し、映画化権利、そして最終決定権を有し続ける。
マーベルとソニー・ピクチャーズは『スパイダーマン』シリーズへのマーベル・シネマティック・ユニバースの融合に向けてともに努力することになる。
この新しい関係は『スパイダーマン』シリーズへの新たな挑戦であり、それによって長らくコミックスではマーベル・ユニバースの中心的存在だった『スパイダーマン』がマーベルのスクリーンに登場することとなる。『スパイダーマン』は50年以上の歴史をマーベルの世界で築き上げており、この決定によってファンは『スパイダーマン』がマーベル・ユニバースにおけるヒーローたちのなかで正しい場所に立つ姿を見ることができるようになるのだ。
ということでこのプレスリリースでは『スパイダーマン』におけるソニーとマーベルとの関係において、ソニーが上位にいることが繰り返し強調されています。「共同」と言っても決して対等な立場ではなく、ソニーがマーベルを招き入れたという姿勢が文言からも強く意識されており、また映画化権の他にも最終決定権もソニーが持つことが明かされています。
要するに、この新しい『スパイダーマン』はあくまでソニーが権利を持つ作品であって、その製作を委託した外注先がマーベル・スタジオなのだ、ということです。
またこのプレス・リリースにも登場するエイミー・パスカルとはこれまでソニー・ピクチャーズの代表を務めるも、先般の北朝鮮の首席暗殺映画『ザ・インタビュー』のハッキング騒動の責任をとって代表の座を辞任した人物で、現在はソニー傘下の製作プロダクションの代表に就任しています。こういった人選にソニー内部の駆け引きも見え隠れします。
またリリースのなかで繰り返し「新しいスパイダーマン/a New Spider-Man」とクドイほどに強調されており、この文言からも現在シリーズ化されている『アメイジング・スパイダーマン』とは別のものとなることが伺い知れます。この点については憶測の域を出ませんが、行間から推測するに、これまでのシリーズはご破算となりそうです。
そして2017年7月28日にマーベル版『スパイダーマン』が公開されるために、今後の公開スケジュールに影響が出るのは必至です。そして『スパイダーマン』単独作品より前に他のマーベル作品にスパイダーマンが登場することもほぼ間違いなく、だとすればアイアンマンの登場も決定している『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』となる可能性が高いでしょう。アベンジャーズの中心的存在だったアイアンマンとキャプテン・アメリカの方向性の違いが浮き彫りとなるだろう『シビル・ウォー』でスパイダーマンがそのバランサーとなるのではないか、などなど想像するだけでヨダレが止まりませんね。
このニュースはまだまだ目が離せませんのでしっかりフォローしていきます。
プレスリリース原文:COLLIDER
[ad#ad-pc]
コメント