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映画ジャーナル<ビーグル・ザ・ムービー>

ハン・ソロ主役『スター・ウォーズ』スピンオフ、監督交代劇の裏側とは?

Phil lord chris miller lego movie

『スター・ウォーズ』のハン・ソロを主人公にしたスピンオフ作品からの、『LEGO(R)ムービー』フィル・ロード&クリス・ミラー監督の降板劇の裏側について、おおよその理由が明らかになっています。

ルーカス・フィルムが公表した声明では「創造性の相違」という監督降板劇では常套句となっている理由が述べられていましたが、実際には制作過程の「ノリ」を重視する監督コンビの手法と、「スター・ウォーズ」という看板に忠実でありたいスタジオサイドとの衝突が原因ということで間違いなさそうです。

vs プロデューサー

Varietyによると、プロデューサーで現在はルーカス・フィルムの代表でもあるキャスリーン・ケネディとフィル・ロード&クリス・ミラー監督の軋轢は撮影開始当初より存在しており、関係者によるとキャスリーン・ケネディは監督コンビの「靴下のたたみ方」にまでケチをつけるほどに、現場をコントロールしようとしていたという。

『スター・ウォーズ』スピンオフの監督に『21ジャンプストリート』『LEGO(R)ムービー』の監督が抜擢された理由は、彼らの独自の視点がこれまでのシリーズ作品との違いを生み出すことを期待されてのことだったが、プロデューサーとして現場をコントロールする立場のキャスリーン・ケネディにとっては、彼らの自由な製作プロセスが最初から気に入らなかったとのこと。

関係者は「二人にはアイデアを実現する自由は与えられなかった」と同情的に語っている。

vs 『スター・ウォーズ』重鎮

またTHRによると、エグゼクティブ・プロデューサーで共同脚本家として名を連ねる重鎮ローレンス・カスダンとの衝突も降板の一因となっているようです。

『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の脚本家でもあるカスダンはハン・ソロを「喜劇的な人物ではなく、あくまでわがままな皮肉屋」として描きたいという思いが強く、カスダンと付き合いの長いキャスリーン・ケネディの不満と一致することで、監督コンビの居場所は狭まったいったという。

そしてキャスリーン・ケネディは監督コンビに、『ローグ・ワン』同様の追加撮影を要求したものの、二人がそれを断固拒否したことで監督降板は決定的になったと、映画サイト編集者マイク・サンプソンが明かしている。

一連の報道では、フィル・ロード&クリス・ミラー監督コンビへの同情が多く、そもそも彼らが「普通」の作品を撮る監督コンビでないことくらい誰もが知っている事実。ジョナ・ヒルとチャニング・テイタムを高校生にしたり、危険ドラッグ吸わせたりする監督に、タイトなスケジュールで喜劇的でない主人公の作品を撮れ、という方が無理な話。

フィル・ロード&クリス・ミラー監督作品ということで、ハン・ソロを中心としたチューイとの友情や、ランド・カルリジアンとの過去などを軽快なノリで描いてくれることを期待していたのですが、それはルーカス・フィルムサイドの意見とは違っていたようです。

では一体、なぜハン・ソロ役に『ヘイル、シーザー!』オールデン・エアエンライク、ランド・カルリジアン役に『コミ・カレ!! 』ドナルド・グローヴァー、そしてウディ・ハレルソンといった「真面目に笑わせること」ができる俳優たちをキャスティングしたのか。

タイトル未定ながらハン・ソロ主役のスピンオフ作品は2017年2月から撮影が始まっており、スケジュール上はまだ数週間残っていることになる。公開日は今のところ変更はなく2018年5月に予定している。すでに撮影した分がどこまで引き継がれるのかは不明だが、この夏にも追加撮影が行われる予定。

そして近日中に発表される見込みの新監督に関してTHRはロン・ハワードとジョー・ジョンストンといったヴェテラン監督の名前を上げている。ロン・ハワードはかつて『スター・ウォーズ/エピソード1』監督のオファーを受けたこともあり、ジョー・ジョンストンもILMの古参メンバーで『スター・ウォーズ』シリーズの特殊効果を担当していたことから、スタジオ側からの覚えもめでたい。

また共同脚本家でエグゼクティヴ・プロデューサーでもあるローレンス・カスダンがメガホンを取る可能性もあるという。

いずれにせよそれはもうフィル・ロード&クリス・ミラー監督作品とは全く違った作品になるのでしょう。

ハン・ソロ主役『スター・ウォーズ』スピンオフは予定通り2018年5月25日全米公開予定

『ローグ・ワン』でも明らかになった監督とスタジオとの『スター・ウォーズ』ならではの微妙な関係性は今後のシリーズ作品にも影響しそうです。

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