パキスタンの伝統音楽とジャズとの出会いを描くドキュメンタリー『ソング・オブ・ラホール』の日本公開が決定。イスラム原理主義の影響で音楽を禁じられたパキスタンの音楽家たちの再起をかけた「テイク・ファイブ」がネットで話題になり、現代ジャズ最高峰ウィントン・マルサリスの耳に入ることに、、、。これは民族音楽版『アンヴィル』だ!
『ソング・オブ・ラホール』の日本公開決定!
ドン・チードルがマイルス・デイビスを演じる『マイルズ・アヘッド』、イーサン・ホークがチェット・ベイカーを演じる『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』、他にもニーナ・シモンの伝記映画などジャズファンにとって楽しみな映画が多く控えるなか、そのラインナップに加わること間違いなしのドキュメンタリー映画『ソング・オブ・ラホール』の日本公開が決定しました。
かつて芸術の都だったパキスタン・イスラム共和国の街ラホール。タリバンにより音楽を禁じられ、世間から忘れ去られた熟練音楽家たちが、自分たちの音楽と聴衆を取り戻すため、畑違いのジャズに挑戦し世界に打って出る。
彼らが伝統楽器を用いてカバーした「テイク・ファイヴ」のプロモーション映像はまたたく間に世界を駆け巡り、100万を超えるアクセスを記録。その噂を聞きつけ、天才トランペット奏者のウィントン・マルサリスの招待で、彼が率いる本場NYのビッグバンドと共演することになるが…。
というドキュメンタリー映画ですが、まずはパキスタンの伝統音楽家たちによって結成された“サッチャル・ジャズ・アンサンブル”が演奏する「テイク・ファイブ」をお聞きください。オリジナルはポール・デスモンド作曲でデイヴ・ブルーベック・バンドのジャズの名曲です。
凄いですね。鳥肌が立ちました。タブラの親父なんて凄腕ですよ。
この「テイク・ファイブ」という曲はタイトルにある通り5/4拍子の曲で、トルコ民謡からインスパイアされて作られたため、イスラム文化圏の彼らにとっては慣れ親しんだリズムなのかもしれません。
異国の音楽がニューヨークで歓迎されるという内容からヴィム・ヴェンダース監督の『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を連想しますが、居場所を失った音楽家たちが再起を図るという面では『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』に近いのかもしれません。
監督は本年2度目のアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞したパキスタン人女性シャルミーン・ウベード=チナーイと、ニューヨーク在住のアンディ・ショーケンが務めます。
映画『ソング・オブ・ラホール』は今夏、渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショーです。
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