サンダンス映画祭2冠の黒人奴隷蜂起を描く『The Birth of a Nation』の公開日が2016年10月7日に決定。サンダンス史上最高額で配給権が買い取られた話題作が「真っ白なオスカー」を黒に塗りつぶす!
『The Birth of a Nation』が来年のアカデミー賞を席巻!?
今年のサンダンス映画祭で2冠を達成し、その配給権を巡って各社が夜通しの交渉を行った結果、サンダンス史上最高額となる1750万ドルでフォックス・サーチライトが獲得した話題作『The Birth of a Nation』の劇場公開日が2016年10月7日に決定した。
この公開日は同じくサンダンス2冠からアカデミー賞での話題となった『セッション』と同じ流れとなっているため、来年のアカデミー賞には「おそらく」確実に関わってくるだろう。
ここで「おそらく」とエクスキューズを入れたのは、もちろん「オスカーは真っ白」なその姿勢が本当に改善されるのかへの疑問を込めている。
これまで何度もアカデミー賞の白人主義的な傾向は批判され、その度に改革の必要性が訴えられていながらも「高齢、白人、男性」という会員の傾向は変わっていないとされている。こんな偏った映画賞が世界でもっとも注目を浴び、映画界最高の栄誉として賞賛さえることへの違和感は、今年最高潮に達している。それは老齢白人男性のための映画祭をキャーキャー騒ぎ立てることへの率直な違和感だ。
そんななかでの『The Birth of a Nation』である
ネイト・パーカーが監督・主演した『The Birth of a Nation』はD・W・グリフィス監督による1915年公開の無声映画『國民の創生』と同名タイトルでありながら、白人主義として批判されるアメリカ最初の長編映画に抗議するように、その内容は1831年に発生した黒人奴隷による暴力蜂起「ナット・ターナーの反乱」を描いている。
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この反乱はすぐに鎮圧されも暴動参加者と変わらない数の約50名の白人たちを殺害した、その過激さで有名な事件だ。そんな史実を描いた作品が2016年に公開されることの意味は、今年のアカデミー賞の欺瞞ぶりと相まって、重く映画界にのしかかるだろう。
個人的には2016年再注目作品のひとつ。「真っ白なオスカー」を黒く塗りつぶしてくれ!
↓『The Birth of a Nation』についての詳細記事です↓
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