クリスマス前に公開される『スターウォーズ/フォースの覚醒』を巡り、英国国教会が上映前に「主への祈り」を促す映像を流そうとしたところ、主要な映画館がこれを拒否。協会側は「宗教弾圧」と反発しています。
『スターウォーズ』、とばっちりを喰らう
ことの発端は英国国教会がクリスマス前に公開される話題作『スターウォーズ/フォースの覚醒』の上映前に一分間の「主への祈り」を促す宣伝映像の放映を要請したことです。しかし英国内大手3社の映画館は、政治や宗教の喧伝に関わる広告は受け付けない、という理由でこれを拒否しました。
この判断に英国国教会側は「宗教弾圧であり、言論の自由さえも奪う暴力的行為」と猛反発しています。
しかし劇場側も態度を変えるつもりなく、イギリスの大手劇場の「Digital Cinema Media」は「今後も当社のポリシーを変えるつもりはなく、多くの消費者もその判断を支持してくれている」として、あくまでも政治や宗教に中立の立場を強調しました。
つまり『スターウォーズ』の内容は全然関係なく、クリスマス前の公開で多くの観客を集めることができる注目作だったために、今回の騒動に巻き込まれたのです。
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上映前の「主への祈り」は必要?
それにしてもパリの襲撃事件で世界がある種の疑心暗鬼に陥り、ともすれば特定の宗教への拒否反応さえも引き出しかねないこの時期に、何とも間の悪い騒動です。
英国国教会側にしてみれば他意なくクリスマス前に多くの人に「祈り」の重要さを再認識してもらおうと広告を出そうとしたのでしょうが、イギリスには当然ながらキリスト教徒以外にも様々な「神」を信じる人々が住んでいます。特にただでさえ肩身の狭い思いを強いられるイスラム教徒が、首を長くして楽しみにしていた『スターウォーズ』の上映前に、キリスト教の「主への祈り」を喧伝する映像を見せられれば複雑な思いを抱くことは想像できます。
一方の過剰反応なのか、それとも一方が軽率なのか判断に難しいところですが、どう思いますか?
個人的には過去にイスラム圏で映画を観たとき、 豊富なヒゲを蓄えたおっさんによる説教を10分ほど見せられ辟易した経験もあったり、また東南アジアのタイでは上映前に国王への敬意を表す映像が流されこの際は全員起立しなければならず、気を抜いていると自分以外みんな立っていて焦ることもありました。
どちらが正しいとかではなく、とにかく映画は純粋なエンターテイメントであってもらいたいし、特定の人々がソワソワするような広告はやはり映画館には似つかわしくないと感じます。
繊細な問題だとは思いますが、『スターウォーズ』においては「ジェダイ」こそが宗教だと思うので現実問題は劇場の外に預けておいてもらいたいです。ちなみに愛すべき現世界では実際にジェダイ教という宗教を広めようとする運動がありますが、信者は人前でフードを被る必要があるようで夏場はちょっとキツいです。
まあ、こういった騒動も『スターウォーズ』ならではのことなのかもしれません。
そういえば数年前に『THE JEDI PATH』というジェダイのなり方を説いた本を紹介してました。日本版は出てないのかな。
参照:deadline.com/2015/11/church-of-england-star-wars-ad-ban-uk-cinema-dcm-response-1201636662/
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