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【映画】ポール・ウォーカー追悼『フルスロットル』レビュー

2004年のヨーロッパ・コープの快作『アルティメット』のリメイクで、ポール・ウォーカーの遺作となってしまったアクション映画『フルスロットル/Brick Mansions(原題)』のレビューです。テンポのいいアクションと能天気なオチが合わさった最高のアクション映画でした。そしてポール・ウォーカーほどカー・アクションが映える俳優もいないことが再確認できる映画です。日本公開は2014年9月6日。

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・ストーリー

2018年のデトロイトでは全てが腐敗しており、「ブリック・マンション」というマンション群では麻薬組織が 支配しており、警察でさえも彼らの言いなりになっていた。そんななかブリック・マンション内で1人で麻薬組織と対立するリノ(ダヴィ・ベル)は麻薬組織のボス(RZA)に命を狙われるも、驚異的な身体能力で迷路のように入り組んだブリック・マンションを逃げ回るも、リノの元カノが麻薬組織に拉致されてしまう。

一方、潜入捜査官のダミアン(ポール・ウォーカー)に緊急の指令がくだる。デトロイトに輸送中だった時限装置付きの中性子爆弾が麻薬組織に盗まれ、爆発の危機が迫っていた。市や警察トップから直々に、爆発を止めて麻薬組織のボスを逮捕するミッションにあたる。そしてその相棒として、ブリック・マンションを知り尽くしたリノが推薦される。

それぞれ違った目的がありながらも、一緒になって街を汚染する“悪”へと立ち向かう二人。そして驚愕のラストへと突き進んでいく。

・感想

ヨーロッパ・コープ製作と言えば、派手なアクションが持ち味の大味映画ということになるのだが、本作は大味でありながらも疾走感溢れるアクションと爆笑のラストで、アクション映画の標準点を大きく上回る作品となっている。

まず冒頭のマンション内での逃走劇。リュック・ベッソンが『アルティメット』や『ヤマカシ』などでここ最近力を入れているパル・クールと呼ばれる壁や階段などを飛び越えていくパフォーマンスを駆使するダヴィ・ベルのアクションは唯一無二の素晴らしさがある。もう冒頭の10分だけでも金を払う価値はある。スローモーションを多用しているが、簡単にカットが切れないので息つく暇もない。

そしてポール・ウォーカー。パル・クールの後は彼のカーアクションを見ることが出来る。もう二度と彼のドライビングを見られないということもあり、複雑な気分になった。存命中はさほど気にも留めない俳優だったが、亡くなってから冷静になると彼ほどカー・アクションが似合う俳優はいなかったことに気がついた。

この映画は、前半にデヴィ・ベルとポール・ウォーカーそれぞれの得意のアクションシーンしっかりと見せておいて、後半は『ザ・レイド』のような武装マンション攻略シーンの連続となる。ここ数年のアクションのトレンド全てを総ざらいするような内容となっている。

何でもCGによって解決される昨今のアクション映画にあって、この『フルスロットル』は肉体の説得力が備わった見応えのある作品となっている。そして爆笑必死のオチの後に、ポール・ウォーカーへの追悼。

日本公開は2014年9月6日となっています。是非ご覧下さい。日本の夏の暑さもぶっ飛ぶこと必至です。

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