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『ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督、デザインや映画観を語る【2014/03/15】

SXSW期間中に『THE VERGE』によって『ゴジラ』監督のギャレス・エドワーズへのインタビューが行われ、動画が公開されています。『ゴジラ』のデザインに関してや、ギャレス監督の怪獣映画への考え方などが語られており、素晴らしいインタビューでしたので、訳してみました。

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The Verge(以下V):ゴジラのデザインに関してだけど、1954年のオリジナルに通じながらも、新しい怪獣にもなっていたね。誰もが知っているデザインを作り直すという作業はどのように行われた?

ギャレス監督(以下GE):デザインはニュージーランドのweta workshopが担当したんだけど、その時は僕はイギリスにいて、時差の関係から朝の4時か5時くらいにスカイプでつないで、同じデスクトップ画面を観ながら話し合ったんだ。

 数えきれないほどのデザインがあったけど、3Dのベースを用いながら、それをルービックキューブみたいに色んな方向から付け足したり、切り撮ったりの作業が繰り返されたんだ。一方から見て「これはいいな」と思っても別の確度から観るとイメージと違うこともあって、360度で見渡して満足できるものに仕上げるのに数ヶ月もかかったよ。

V:ゴジラ以外にも別の怪獣が出てくると思うんだけど、そのデザインに関しても同じような作業があった?

GE:そうだね、きっとゴジラ以外にも出てくるね。とにかくこれまでのクリエーチャーとは違ったユニークなものを作り上げたかった。もちろんそれは大変な作業で1年以上罹ったよ。これまでには有名な怪物、例えばT−レックスやギーガーのエイリアンやスターシップトゥルーパーズやジョーズやキングコングを特別意識していたわけではないけど、気がつくと、ここは頭はあのモンスター、手はあのモンスターと、インスピレーションの源になっていることに気がついたよ。

V:確かにそういった雰囲気があって興奮したよ。話をゴジラに戻すと1954年のオリジナルは日本が置かれていた、核に対する恐れや猜疑心といった特殊な状況が色濃く現れているけど、今回の新しいゴジラを引き受けるに際してどうのように新しいゴジラ像を作ろうとしたの?

GE:優れたSF作品に共通するのは作品が大きく二つのレベルで構成されていることだと思うんだ。最初のレベルは、ただただ面白いということ。一つのエンターテイメント作品として怪獣の闘いの観たいと言う観客の思いに答えることだね。でも別のレベルとして物語の背後に隠れた意味と言うかその“ポイント”を、説教臭くせずに伝えることも重要なんだ。そのためにいくつかの視点で映画を語る必要がある。人類と自然の対立関係であったり、核の問題などがそれに相当するんだ。核と言うパンドラの箱を開けてしまった時代にあって、核と言う存在が世界のパワーバランスを決定している中に出現したゴジラの意味というのがとても興味深かったんだ。もちろんそれは映画においては副次的主題であるけど、僕はそういったものを映画の中で描くのが好きなんだ。いくつかのレイヤーを映画に導入するのことは僕にとって重要なことなんだ。

V:確かにいい作品というのは寓意はあって色々なことを考えさせられるね。ゴジラの他の映画との比較における立ち位置についいてがどう?

GE:ゴジラ映画は実際の世界ではありえないけど、怪獣映画は実際に存在しているよ。日本の怪獣映画のポスターにドキドキする子供とか、そういうところにね。東宝映画は唯一無二だけど、その後の話に興味があるんだ。

V:それはすでに次回作のアイデアがあるということかな。

GE:僕からは何とも言えないよ。それは映画を見た人が決めることだからね。今はそんなことまで考えていないよ。

V:とにかく映画の公開が待ちきれないよ。どうもありがとう。

ゴジラの全米公開まで二ヶ月となってプロモーションも活発になっています。今回のSXSWでのゴジラ関係のプロモーションは大変好評であちらでは注目度がかなり高くなっています。それに加えて日本では公開が7月ということもあってまだまだ出足は遅れていますね。

今回のインタビューで興味深かったのはギャレス監督の怪獣映画観が聞けたことです。エンターテイメントの魅力と、怪獣と言うメタファーを用いて語られる背後の大きな意味。それは彼のデビュー作『モンスターズ:地球外生命体』に色濃く現れています。

インタビュアーが最後に締めくくったように、公開まで待ちきれません!

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参照記事:The Verge

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