山形ドキュメンタリー映画祭は17日まで続くのですが、私の参加は明日の15日まで。ということで正直言いましてもう疲れのピーク。毎日4本くらいのアート系映画を観て、書いて、飲んで、と言う日々もそろそろ限界。それでもマルケルは続きます。
・アレクサンドルの墓:最後のボルシェビキ/The Last Bolshevik 1993年製作
1989年に亡くなったマルケルが敬愛するソ連の映画監督アレクサンドル・メドヴェトキンに捧げた一作。『サン・ソレイユ』同様に手紙での語りという形式をとっている本作。“偽の共産主義国家で本当の共産主義者”が味わった辛酸が、マルケルの愛情によって美しく語り直される。秀作。
・2084 1984年製作
・3つのビデオ俳句/Three Video Haiku 1994年製作
・レヴェル5/Level 5 1996年製作
二本の短編と後期の代表作『レヴェル5』の上映。カトリーヌ・ベルコジャ演じる女性が亡くなった恋人の代わりに第二次大戦時の沖縄戦をめぐるコンピューター・ゲームを完成させようとする試みを描く近未来的SF系思想映画。『サン・ソレイユ』でも描かれる日本を象徴するコンピューター性を用いて記憶についての思索。評価の分かれるところだとは思うが、一連の彼の作品群を辿ってくるとこの辺りでやはり既視感が出てくる。SF的表現は96年という時代からしても、早い遅いではなくSF的現実感には乏しい。
ということで明日でマルケルの上映も終わるのだが、明日はマルケル以外の作品を観ようと思う。
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